ネットワークを構築する際には，冗長化や負荷分散などを考慮したネットワーク設計により耐障害性を高める必要がある．しかし，ネットワークの設計段階では，耐障害性は手作業で検証されることが一般的であり，高い労力を要する問題がある．そこで本研究では，設計段階において耐障害性を自動で検証する手法を確立することを最終目的とする．本稿では研究の初期段階として，ネットワークの設計書を検証ツールに適用できるように自動変換する手法を提案する．提案手法では，設計書として我々の先行研究で提案したネットワーク構成モデルを採用して拡張し，その検証ツールとしてGNS3（Graphical Network Simulator 3）を採用する．提案手法による変換手順の妥当性を評価するために，ネットワーク構成モデルに対して，冗長化やループ構成の対策に使用されるSpanning Tree Protocolを用いたネットワークを事例として提案手法に適用し，変換前後のネットワークの構成を比較した結果を報告する．