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年齢層を考慮したCOVID-19の感染症流行シミュレーション - 若者・高齢者それぞれの自粛による感染抑制効果の違い -
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生して以来、移動制限、都市封鎖などの異例の措置が世界中で実施されており、日本でも複数回に渡る緊急事態宣言などにより、国民への自粛を要請している。しかし、COVID-19は高齢者の重症化率や致死率が高い一方、健康な若者は感染してもそのほとんどが軽症、あるいは無症状で済む。本研究では、年齢構造をもつエージェントベースの拡張SEIRモデルによるシミュレーションにより、若者、高齢者それぞれの自粛(接触低減)による効果を調べた。その結果、特にCOVID-19のデルタ株のように感染力が高い場合には、総感染者数や重症者、死者の削減のためには、高齢者の自粛が重要であることが分かった。一方、若者の自粛には感染のピークを遅らせる効果があった。