2021年9月1日に発足したデジタル庁において、国民向けサービスグループで検討されている準公共分野のデジタル化において、「防災」が取り上げられている。災害対応の情報化については、筆者らは阪神・淡路大震災から取り組んでいるが、情報化自体は進むものの期待された効果を出すことができないことが多いのが現状である。本研究では、この課題の背景に災害対応のための情報システムの要求仕様策定の困難さがあると考え、平常時のシステム開発からは考慮できない問題点と要件定義のポイントを明らかにすることを目的とした。市町村役場の行う防災訓練や災害支援団体を支援で活用されたシステムを事例として考察を行った結果を報告する。