情報処理学会第83回全国大会 会期:2021年3月18日~20日 会場:オンライン開催

「アジャイル開発のソフトウェアモデル契約」のその後

日時:3月18日(木)12:40-15:10

会場:第3イベント会場

【セッション概要】2018年3月の第80回全国大会において紹介した,アジャイル開発の事例に即した契約は,スプリントごとの請負による個別契約とかかる個別契約をベースにした全体プロジェクトに関する緩やかな契約であったが,会場からの多くの意見を参考に,ユーザとベンダ双方がメリットを感じられる契約形態として準委任型をベースとした契約書の作成を試み,2020年6月に公開した.82回の全国大会で紹介を行う予定であったが,現地開催が中止となったため,今回はその契約書の紹介に加え,その後の展開について紹介する.今後契約の運用や成果物の資産化,請負先への支払,著作権,偽装請負などの個別のテーマを取り上げながら実用に沿ったものにブラッシュアップしていく必要性を感じているがそのことも含める予定.パネルでは基調講演をもとに,セッション参加者と共に日本におけるアジャイル開発の行方を探る.オンライン開催希望

司会

高岡 詠子(上智大学 理工学部 情報理工学科 教授)

高岡 詠子

【略歴】慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).現在,上智大学理工学部教授.専門分野は医療・看護・介護・福祉,環境,教育分野におけるWebアプリ/スマフォアプリ等開発と運用.2007年本会山下記念研究賞受賞,2013年度本会学会活動貢献賞受賞,主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス),「計算の科学と手引き(’19)」,「計算事始め('13)」および「情報科学の基礎('07)」(放送大学教科書).

12:40-13:00 講演(1) LIP版アジャイル開発契約解説

市毛 由美子(のぞみ総合法律事務所 弁護士)

市毛 由美子

【講演概要】LIPが提唱したアジャイル型向けソフトウェア開発の契約例について,その特徴(契約当事者とプレイヤーの関係,準委任契約とプラスαの取り決め,持続可能な関係構築,紛争解決・予防機能等)を解説するとともに,アジャイル開発の更なる普及のため,今後解決すべき課題について問題提起を行う.

【略歴】平成元年弁護士登録,日本アイ・ビー・エム株式会社法務部,都内法律事務所を経て平成19年~のぞみ総合法律事務所パートナー,平成21年度第二東京弁護士会副会長,平成22年9月~平成24年8月日本弁護士連合会事務次長,現在,日弁連知的財産センター委員,情報処理学会LIP所属,総務省情報通信審議会委員,(株)スシローグローバルホールディングス社外取締役,伊藤ハム米久ホールディングス(株)社外取締役,アスクル㈱社外取締役

12:40-13:00 講演(1) LIP版アジャイル開発契約解説

平岡 敦(たつき総合法律事務所)

平岡 敦

【講演概要】アジャイルに適する柔構造の契約形態を考えるとともに,その実現を阻む現行法制の問題点についても言及する.

【略歴】1990年早稲田大学第一文学部哲学科卒業.2019年筑波大学大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻博士前期課程修了.修士(法学).1990年から(株)シーエーシーに勤務.2000年司法試験合格,2002年から弁護士(たつき総合法律事務所),現在に至る.日弁連弁護士業務改革委員会副委員長,第二東京弁護士会業革委員会委員長,情報処理推進機構(IPA)社会実装推進委員会委員・情報処理技術者試験委員,内閣府日本経済再生本部裁判手続等のIT化検討会委員等

13:00-13:20 講演(2) アジャイル開発契約のあるべき姿とは

中野 安美(Agility Design株式会社 代表取締役/アジャイルコーチ)

中野 安美

【講演概要】

【略歴】生保IT子会社にて生命保険分野のシステム開発にプロジェクトマネージャとして長年従事.2015年よりアジャイル開発,新規事業サービスデザインなどを社内で推進.その後クラウドサービスベンダーを経て,アジャイル・クラウド開発を通じて,競争力のあるビジネス創出や働き方の改革を推し進めたい思いから,2019年9月AgilityDesign(株)を設立.AgileJapan2020実行委員長

13:00-13:20 講演(2) アジャイル開発契約のあるべき姿とは

和田 憲明(富士通(株))

和田 憲明

【講演概要】(略)

【略歴】アジャイルジャパン実行委員(2015-2017は実行委員長).ITベンダー所属.2006年に社内でアジャイルコミュニティを作り普及活動を実施してきた.2011年からは,本業として社内のアジャイル支援活動に従事している.また,社外の様々なアジャイルコミュニティにも参加しており,日本でのアジャイルの潮流を長年肌で感じてきた.趣味はジャグリングを多くの人達に教えること.「ジャグリングは見るよりやる方が100倍面白いですよ」

13:20-13:40 講演(3) LIP版/IPA版アジャイル開発契約書の比較

木下 史彦(永和システムマネジメント Agile Studio)

木下 史彦

【講演概要】アジャイル開発における準委任型ベースのモデル契約書が,2020年3月以降「IPA/経産省のモデル取引・契約書見直し検討部会 DX対応モデル契約見直し検討WG」と「情報処理学会 情報処理に関する法的問題研究グループ」より公開されました.この二つのモデル契約書策定にあたり,両グループで策定に関わったアジャイルコーチとしての立場から両者の比較について説明する.

【略歴】アジャイルコーチ ・ Agile Studio プロデューサー
2005年頃からエクストリームプログラミングを開発現場で実践.2010年には「価値創造契約」を提唱.
現在はアジャイルコーチとして「まっとうなアジャイル開発」を標榜して日々コンサルティング・コーチング活動に従事.自動車メーカー,医療機器メーカー,通信キャリア,金融機関などのDXを推進.
IPA「DX対応モデル契約見直し検討WG」の委員も務める.
監訳書に『アジャイルプラクティス』(オーム社),『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(オライリー)がある.

13:40-14:00 講演(4) AgileJapanプレイベントでの展開

高岡 詠子(上智大学 理工学部 情報理工学科 教授)

高岡 詠子

【講演概要】アジャイル開発における準委任型ベースのモデル契約書が,今年3月以降に「IPA/経産省のモデル取引・契約書見直し検討部会 DX対応モデル契約見直し検討WG」と「情報処理学会 情報処理に関する法的問題研究グループ」より公開されました.アジャイルジャパン2020のプレイベント「アジャイル開発契約のあるべき姿とは? ~IPSJ/LIPチームとIPA/経産省チームの試み~」において,両者の検討メンバーから各々のモデル契約書のポイントと共通点や相違点の比較をご紹介し,後半ではみなさまからの質問を受け,検討に関わったメンバーから回答するパネルディスカッションを行いました.この様子についてご報告します.

【略歴】慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).現在,上智大学理工学部教授.専門分野は医療・看護・介護・福祉,環境,教育分野におけるWebアプリ/スマフォアプリ等開発と運用.2007年本会山下記念研究賞受賞,2013年度本会学会活動貢献賞受賞,主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス),「計算の科学と手引き(’19)」,「計算事始め('13)」および「情報科学の基礎('07)」(放送大学教科書).

14:00-15:10 パネルディスカッション

市毛 由美子(のぞみ総合法律事務所 弁護士)

市毛 由美子

【略歴】平成元年弁護士登録,日本アイ・ビー・エム株式会社法務部,都内法律事務所を経て平成19年~のぞみ総合法律事務所パートナー,平成21年度第二東京弁護士会副会長,平成22年9月~平成24年8月日本弁護士連合会事務次長,現在,日弁連知的財産センター委員,情報処理学会LIP所属,総務省情報通信審議会委員,(株)スシローグローバルホールディングス社外取締役,伊藤ハム米久ホールディングス(株)社外取締役,アスクル㈱社外取締役

パネリスト

平岡 敦(たつき総合法律事務所)

平岡 敦

【略歴】1990年早稲田大学第一文学部哲学科卒業.2019年筑波大学大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻博士前期課程修了.修士(法学).1990年から(株)シーエーシーに勤務.2000年司法試験合格,2002年から弁護士(たつき総合法律事務所),現在に至る.日弁連弁護士業務改革委員会副委員長,第二東京弁護士会業革委員会委員長,情報処理推進機構(IPA)社会実装推進委員会委員・情報処理技術者試験委員,内閣府日本経済再生本部裁判手続等のIT化検討会委員等

パネリスト

中野 安美(Agility Design株式会社 代表取締役/アジャイルコーチ)

中野 安美

【略歴】生保IT子会社にて生命保険分野のシステム開発にプロジェクトマネージャとして長年従事.2015年よりアジャイル開発,新規事業サービスデザインなどを社内で推進.その後クラウドサービスベンダーを経て,アジャイル・クラウド開発を通じて,競争力のあるビジネス創出や働き方の改革を推し進めたい思いから,2019年9月AgilityDesign(株)を設立.AgileJapan2020実行委員長

パネリスト

和田 憲明(富士通(株))

和田 憲明

【略歴】アジャイルジャパン実行委員(2015-2017は実行委員長).ITベンダー所属.2006年に社内でアジャイルコミュニティを作り普及活動を実施してきた.2011年からは,本業として社内のアジャイル支援活動に従事している.また,社外の様々なアジャイルコミュニティにも参加しており,日本でのアジャイルの潮流を長年肌で感じてきた.趣味はジャグリングを多くの人達に教えること.「ジャグリングは見るよりやる方が100倍面白いですよ」

パネリスト

木下 史彦(永和システムマネジメント Agile Studio)

木下 史彦

【略歴】アジャイルコーチ・Agile Studioプロデューサー
2005年頃からエクストリームプログラミングを開発現場で実践.2010年には「価値創造契約」を提唱.
現在はアジャイルコーチとして「まっとうなアジャイル開発」を標榜して日々コンサルティング・コーチング活動に従事.自動車メーカー,医療機器メーカー,通信キャリア,金融機関などのDXを推進.
IPA「DX対応モデル契約見直し検討WG」の委員も務める.
監訳書に『アジャイルプラクティス』(オーム社),『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(オライリー)がある.

パネリスト

居駒 幹夫(青山学院大学)

居駒 幹夫

【略歴】1980年日立製作所に入社後,大規模ソフトウェア製品の品質保証,ソフトウェア生産技術などを担当.2018年青山学院大学で教育・研究活動.社会人向けの教育プログラムADPISA運用.博士(情報学).

パネリスト

柴田 睦月(小島国際法律事務所)

柴田 睦月

【略歴】中央大学法学部・中央大学法科大学院卒.2014年弁護士登録.同年より国内メーカーにて勤務し,海外へのインフラ輸出の契約交渉や,社内コンプラに携わる.2017年より,のぞみ総合法律事務所にて,独禁法案件,労働問題(企業側),国内訴訟等を多数担当した後,2019年8月より 小島国際法律事務所にて,渉外案件の他,M&A案件を手掛けている.

パネル司会 実務家と法律家それぞれの立場から見た日本におけるアジャイル開発とそのモデル契約

高岡 詠子(上智大学 理工学部 情報理工学科 教授)

高岡 詠子

【討論概要】講演中,アンケートを取り,その中からいくつか回答する形で進める
開発に携わる現場から実際に困っている点などを出していただき,それらが法的にどう解決できるのか,または解決できない場合は代替策があるのかなどの対話も期待出来る.
アジャイル開発における法的な対処内容が明らかになり,弁護氏業界とIT業界の共同理解が進むことを期待するとともに,将来,不確実性の高いビジネスへチャレンジする企業が増え,日本のデジタルトランスフォーメーションが促進することを期待する.

【略歴】慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).現在,上智大学理工学部教授.専門分野は医療・看護・介護・福祉,環境,教育分野におけるWebアプリ/スマフォアプリ等開発と運用.2007年本会山下記念研究賞受賞,2013年度本会学会活動貢献賞受賞,主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス),「計算の科学と手引き(’19)」,「計算事始め('13)」および「情報科学の基礎('07)」(放送大学教科書).