情報処理学会第83回全国大会 会期:2021年3月18日~20日 会場:オンライン開催

コロナ新時代の情報処理(研究)〜COVID-19対策における富岳の活用〜

日時:3月19日(金)12:40-15:10

会場:第1イベント会場

【セッション概要】コロナは,テレワークや電子決済など様々なICT技術が注目されるきっかけとなっているが,スーパーコンピューティングもその例に漏れない.来年度に共用が開始される富岳を活用して,コロナな対策や様々な試みが行われた.本セッションではその試みの一端を紹介し,今後のスーパーコンピューティングとコロナのような世界的パンデミックへの活用の道筋を探る.

司会

下條 真司(大阪大学 サイバーメディアセンター センター長・教授)

下條 真司

【略歴】大阪大学基礎工学部大学院後期課程,昭和61年3月修了.昭和61年大阪大学・助手.平成元年同大型計算機センター・講師.平成3年4月同助教授,平成10年4月同教授,平成12年4月同大学サイバーメディアセンター副センター長,平成17年8月 同大阪大学センター長,平成19年8月 同副センター長,平成20年4月から3年間 情報通信研究機構大手町ネットワーク研究統括センター センター長/上席研究員.平成23年4月サイバーメディアセンター教授.平成27年より,センター長.現在に至る.

12:40-13:30 TBD

松岡 聡(理化学研究所 計算科学研究センター)

準備中

13:30-14:20 スーパーコンピュータ「富岳」が拓く創薬・医療の未来

奥野 恭史(京都大学 大学院医学研究科 人間健康科学系専攻)

奥野 恭史

【講演概要】世界における新型コロナウイルス感染拡大は未だ終息せず,我が国においても未だ予断を許さない状況にある.このような中,現在も,国内外において,ワクチンや医薬品など新型コロナウイルスの治療法の開発が日夜進められている.我々もその一端を担うべく,今年4月よりスーパーコンピュータ「富岳」を武器に,新型コロナウイルスの治療薬探索などのいくつかの研究に取り組んでいる.本講演では,「富岳」による新型コロナウイルスの治療薬探索に関する我々の研究事例の紹介を中心に,「富岳」がもたらす創薬・医療の未来について語る.

【略歴】1993年 京都大学薬学部卒業,同大学院薬学研究科にて博士(薬学)取得.同大学院医学研究科特定教授を経て2016年 京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野教授,現在に至る.理化学研究所計算科学研究センター客員主管研究員,科技ハブ産連本部 医科学イノベーションハブ推進プログラム 副プログラムディレクター,神戸医療産業都市推進機構 クラスター推進センター連携・事業化推進グループ客員部長等を併任.専門は創薬計算科学,ビッグデータ医科学.

14:20-15:10 富岳を用いた室内環境におけるウイルス飛沫・エアロゾル飛散シミュレーション

坪倉 誠(神戸大学/理化学研究所 大学院 システム情報学研究科 計算科学専攻/計算科学研究センター 教授/チームリーダー)

坪倉 誠

【講演概要】スーパーコンピュータ富岳を活用したウイルス飛沫・エアロゾルの飛散シミュレーションについて紹介する.我々のグループでは,公共交通機関や公共施設を対象とした様々な状況に対して,シミュレーションを行い,近距離での飛沫やエアロゾルによる感染リスクとそのリスク低減策を提案してきた.ここではその一例を話すと共に,飛沫感染対策にシミュレーションを活用することの意義,特にこのような問題に対する大規模スパコンの利点とその限界についても述べる.

【略歴】1997年 東京大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程修了,1997年 日本学術振興会特別研究員(東京大学,インペリアルカレッジロンドン),1999年 東京工業大学大学院総合理工学研究科 講師,2003年 電気通信大学 助教授,2007年 北海道大学大学院工学研究科 准教授,2012年 理化学研究所計算科学研究機構 チームリーダー 兼務,2015年 神戸大学大学院システム情報学研究科 教授,2018年 理化学研究所計算科学研究センター チームリーダー(神戸大とのクロスアポイントメント)現在に至る