情報処理学会第83回全国大会 会期:2021年3月18日~20日 会場:オンライン開催

コロナ新時代の情報処理(教育)〜高等教育におけるニューノーマルの模索〜

日時:3月19日(金)9:30-11:30

会場:第1イベント会場

【セッション概要】新型コロナウィルスは教育の現場にも大きな影響を与えた,とりわけ高等教育では多人数の受講生に対応するために,オンライン,ハイブリッド型,ハイフレックス型の授業形態を選択せざるを得ない状況が続いてる.この企画では,ここまでの状況を振り返るとともに,日本の高等教育機関が短期間で各種授業のオンライン化に対応できてきていることを利用して,さらなる高等教育でのデジタルトランスフォーメーションへつなげる方法論について,この分野に詳しい方々による講演とパネル討論で議論する.

司会

竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター)

竹村 治雄

【略歴】1987年7月 大阪大学大学院 基礎工学研究科物理系専攻 博士(工学),1987年4月 国際電気通信研究所(ATR)通信システム研究所 研究員,1992年年4月 同主任研究員 1994年4月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授,2001年4月 大阪大学サイバーメディアセンター情報メディア教育研究部門 教授 現在に至る,この間サイバーメディアセンター長(2007-2011), 教育学習支援センター長(2013-2016),副理事(2015-17)等を兼任

9:30-9:35 オープニング

9:35-9:45 講演(1) コロナで見えて来た高等教育のニューノーマル

喜連川 優(国立情報学研究所/東京大学 所長/教授)

喜連川 優

【講演概要】大胆すぎるかもしれないが,コロナ期においては,講義の録画を全国の大学で共有財とするのは如何か?地方大学の学生が都市部の大学の多様な講義を,コロナ期においては,自由に視聴可能とすることで,コロナで移動できないという制約が生まれ気持ちが晴れない中,どんな講義でも聴けるという新しい機会を与えることにより,学生への学問への大きな意欲を喚起することを提案したい.もちろん,種々の不具合もあろう.しかし,コロナに負けないとんでもない学習意欲を持つ学生の応援も考えてみたい.

【略歴】1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.情報処理学会会長,日本学術会議情報学委員長を歴任.データベース工学の研究に従事.2013年より国立情報学研究所所長.ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞,電子情報通信学会功績賞,情報処理学会功績賞,IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award,日本学士院賞など.2013年紫綬褒章,2016年レジオン・ドヌール勲章.ACM,電子情報通信学会,情報処理学会フェロー.中国コンピュータ学会栄誉会員.IEEE Life Fellow.

9:45-9:55 講演(2) コロナ禍におけるオンライン授業の実施,九州大学の取り組みと課題

岡田 義広(九州大学 附属図書館付設教材開発センター 教授)

岡田 義広

【講演概要】コロナ禍においてオンライン授業が必須の状況となり,その実施に向けた九州大学の取り組みについてご報告いたします.オンライン授業を支える教育システムの検討・対応と,オンライン授業を実施する教員と受講する学生を支援する取り組みのほか,講演者が所属します附属図書館付設教材開発センターの取り組みも交えてご説明いたします.また,オンライン授業実施後の調査結果から見えてきた課題等についてご説明いたします.

【略歴】1993年3月北海道大学大学院工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了.同年4月同大学工学部電気工学科・助手.1999年1月九州大学大型計算機センター・助教授.2000年4月同大学大学院システム情報科学研究院・助教授.2009年4月同システム情報科学研究院・准教授.2013年1月同大学附属図書館付設教材開発センター・教授.2015年4月同センター長,また,2015年度より国立情報学研究所・客員教授

9:55-10:05 講演(3) 北海道大学におけるオンライン教育の普及と今後の課題

重田 勝介(北海道大学 オープンエデュケーションセンター)

重田 勝介

【講演概要】本講演では,令和2年度に実施された全学的なオンライン授業の導入事例から,北海道大学におけるオンライン教育の普及と今後の課題について議論する.

【略歴】北海道大学情報基盤センター准教授.高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター副センター長.専門領域は教育工学・オープンエデュケーション.

10:05-10:15 講演(4) COVID-19とオンライン授業,京都大学での対応から

喜多 一(京都大学 国際高等教育院,情報環境機構 教授・情報環境機構長)

喜多 一

【講演概要】2020年度,COVID-19パンデミックへの対応として多くの大学がオンライン授業への対応を余儀なくされた.京都大学では授業の開始を5月7日まで延期し,LMSの強化,Web会議システムの導入,学生へのモバイルルータの貸し出しなどの環境整備,教員への講習会の実施や情報提供のためのWebサイトの整備を進め,前期の授業に臨んだ.本講演ではこのような準備のもとで行われた2020年度の授業について前期の状況を中心に振り返る.そこでは,授業の全面オンライン化の中でさまざまな問題点も示されたが,他方で急ごしらえのオンライン授業ではあったが,授業の全面オンライン実施の経験は単なる緊急避難としての対面授業の代替にとどまらないオンライン授業の可能性も示された.

【略歴】京都大学 大学院 工学研究科 博士後期課程 研究指導認定退学,工学博士,
京都大学工学部助手,東京工業大学助教授,大学評価・学位授与機構 教授,京都大学 学術情報メディアセンター教授を経て現職,専門はシステム工学,情報教育

10:15-10:25 講演(5) コロナ禍でのオンライン授業とDXに向けた東北大学の取り組み

菅沼 拓夫(東北大学 サイバーサイエンスセンター センター長・教授)

菅沼 拓夫

【講演概要】東北大学では,2020年度第1学期からはオンライン授業,第2学期からは対面とオンラインのハイブリッド型授業に主軸を置き,コロナ禍においても学修効果を低下させずに研究・教育活動を維持する取組みを精力的に行ってきた.一方で,ポストコロナ時代の新しい大学の在り方として「コネクテッドユニバーシティ戦略」を掲げ,教育・研究のみならず,業務系においてもDX推進を積極的に行っている.本講演ではこられを中心に,本学のコロナ新時代に向けた取組みについて紹介する.

【略歴】1997年千葉工業大学大学院修了.博士(工学).2010年より東北大学サイバーサイエンスセンター教授.2019年より同センター長.共生コンピューティング等の研究に従事.DPS研究会幹事・運営委員,DPSワークショップ委員長,東北支部会計幹事・庶務幹事・支部長,第75回全国大会実行委員会幹事など.

10:25-10:35 講演(6) COVID-19とLMS - 大学教育の大幅な変化を経験して

森 健策(名古屋大学 情報基盤センター)

森 健策

【講演概要】名古屋大学では,新型コロナウイルス対策に伴う遠隔講義の準備を2020年3月から進めてきた.特に名古屋大学情報基盤センターでは,Learning Management SystemであるNUCTを遠隔講義実施のためのツールとして運用し,大量アクセスへの対応,学内他部局との連携を進めてきた.本講演では,NUCT運用に関する様々な課題とその改善方法,学生等からのフィードバック結果などを紹介し,今後の課題について触れたい.

【略歴】1992年3月名大・工学部・電子卒,1994年3月名大・工学研究科・情報・修士課程,1996年9月名大・工学研究科・博士課程修了・博士(工学).1996年10月JSPS特別研究員PD,1997年名大・工学研究科・助手,2001年,名大・難処理人工物研究センター・助教授・2003年名大・情報科学研究科助教授,2009年名大・情報連携統括本部教授・2016年名大・情報基盤センター長,2017年名大・情報学研究科・教授,現在に至る.

10:35-10:45 講演(7) 東京大学におけるオンライン授業 --- 対応と今後へ向けた課題

田浦 健次朗(東京大学 情報基盤センター)

田浦 健次朗

【講演概要】コロナ禍によって始まったオンライン授業であるが当初は,学生も教員も「経験してみてわかった」利点がいくつも明らかになった.とは言うものの学生のキャンパスライフの大事な部分(新しい交流,課外活動の多く)が制約され,現在はwithコロナの状況で,学生の対面・交流の機会を作ることと安全を両立させるため,様々な工夫をしながらハイブリッド授業が行われている.今の課題はコロナ終息後に,この経験で得たものを失わないようにすることであり,それについて考えたい.

【略歴】1997年7月 東京大学大学院 理学系研究科情報科学専攻 博士(理学),1996年6月 東京大学大学院 理学系研究科情報科学専攻 助手,2001年4月 同研究科電子情報学専攻講師,2002年4月 同准教授,2015年4月- 同教授,2018年4月- 東京大学 情報基盤センター長(兼務)

10:45-10:55 講演(8) 大阪大学におけるオンライン授業とDXへの取組み

竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター)

竹村 治雄

【講演概要】大阪大学では,オンライン教育に必要なLMSなどの基盤のSaaS化をコロナ禍以前に完了していたため,コロナ対応のオンライン授業の導入では授業担当教員への各種支援力に注力することができた.本講演ではこれらの取組みと今後の本学における教育DXについての紹介する.

【略歴】1987年7月 大阪大学大学院 基礎工学研究科物理系専攻 博士(工学),1987年4月 国際電気通信研究所(ATR)通信システム研究所 研究員,1992年年4月 同主任研究員 1994年4月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授,2001年4月 大阪大学サイバーメディアセンター情報メディア教育研究部門 教授 現在に至る,この間サイバーメディアセンター長(2007-2011), 教育学習支援センター長(2013-2016),副理事(2015-17)等を兼任

10:55-11:30 パネル討論

パネリスト

喜連川 優(国立情報学研究所/東京大学 所長/教授)

喜連川 優

【略歴】1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.情報処理学会会長,日本学術会議情報学委員長を歴任.データベース工学の研究に従事.2013年より国立情報学研究所所長.ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞,電子情報通信学会功績賞,情報処理学会功績賞,IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award,日本学士院賞など.2013年紫綬褒章,2016年レジオン・ドヌール勲章.ACM,電子情報通信学会,情報処理学会フェロー.中国コンピュータ学会栄誉会員.IEEE Life Fellow.

パネリスト

岡田 義広(九州大学 附属図書館付設教材開発センター 教授)

岡田 義広

【略歴】1993年3月北海道大学大学院工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了.同年4月同大学工学部電気工学科・助手.1999年1月九州大学大型計算機センター・助教授.2000年4月同大学大学院システム情報科学研究院・助教授.2009年4月同システム情報科学研究院・准教授.2013年1月同大学附属図書館付設教材開発センター・教授.2015年4月同センター長,また,2015年度より国立情報学研究所・客員教授

パネリスト

重田 勝介(北海道大学 オープンエデュケーションセンター)

重田 勝介

【略歴】北海道大学情報基盤センター准教授.高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター副センター長.専門領域は教育工学・オープンエデュケーション.

パネリスト

喜多 一(京都大学 国際高等教育院,情報環境機構 教授・情報環境機構長)

喜多 一

【略歴】京都大学 大学院 工学研究科 博士後期課程 研究指導認定退学,工学博士,
京都大学工学部助手,東京工業大学助教授,大学評価・学位授与機構 教授,京都大学 学術情報メディアセンター教授を経て現職,専門はシステム工学,情報教育

パネリスト

菅沼 拓夫(東北大学 サイバーサイエンスセンター センター長・教授)

菅沼 拓夫

【略歴】1997年千葉工業大学大学院修了.博士(工学).2010年より東北大学サイバーサイエンスセンター教授.2019年より同センター長.共生コンピューティング等の研究に従事.DPS研究会幹事・運営委員,DPSワークショップ委員長,東北支部会計幹事・庶務幹事・支部長,第75回全国大会実行委員会幹事など.

パネリスト

森 健策(名古屋大学 情報基盤センター)

森 健策

【略歴】1992年3月名大・工学部・電子卒,1994年3月名大・工学研究科・情報・修士課程,1996年9月名大・工学研究科・博士課程修了・博士(工学).1996年10月JSPS特別研究員PD,1997年名大・工学研究科・助手,2001年,名大・難処理人工物研究センター・助教授・2003年名大・情報科学研究科助教授,2009年名大・情報連携統括本部教授・2016年名大・情報基盤センター長,2017年名大・情報学研究科・教授,現在に至る.

パネリスト

田浦 健次朗(東京大学 情報基盤センター)

田浦 健次朗

【略歴】1997年7月 東京大学大学院 理学系研究科情報科学専攻 博士(理学),1996年6月 東京大学大学院 理学系研究科情報科学専攻 助手,2001年4月 同研究科電子情報学専攻講師,2002年4月 同准教授,2015年4月- 同教授,2018年4月- 東京大学 情報基盤センター長(兼務)

パネリスト

竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター)

竹村 治雄

【略歴】1987年7月 大阪大学大学院 基礎工学研究科物理系専攻 博士(工学),1987年4月 国際電気通信研究所(ATR)通信システム研究所 研究員,1992年年4月 同主任研究員 1994年4月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授,2001年4月 大阪大学サイバーメディアセンター情報メディア教育研究部門 教授 現在に至る,この間サイバーメディアセンター長(2007-2011), 教育学習支援センター長(2013-2016),副理事(2015-17)等を兼任