7G-03
考古遺産維持管理のための3次元計測を介した経時変化の定量的観測
近年,天災や人災による文化財の損傷や消失が散見され,その維持管理の必要性が高まっている.特に,現存する考古学遺産においては,発掘以降の維持管理や観光資源としての開発における情報管理の在り方が問題となっている.過去の記録を有効に活用し,現状の維持管理に役立てる必要がある.本研究では,古い写真記録に現状を重ね合わせ,その変化を定量的に把握する作業を可能とする手法を提案する.実測で得た現状の3Dモデルに過去の記録写真の撮影視点を推定し,記録写真の特徴的な輪郭を重畳することで仮想的に実寸比較を可能とする.本稿では,精度検証を踏まえた本手法の有効性を示し,バーレーンの遺跡に適用した事例について考察する.