6T-04
オンライン学習を用いた電波伝搬距離推定および高精度歩行者測位方式
近年,安全運転支援システムや自動運転の研究が盛んに行われており,その一つに歩行者が自身の携帯端末から周囲の車両へ自位置を発信して衝突事故を防止する歩車間通信があるが,歩行者の測位精度向上が課題となっている.この問題に対し,周辺車両が位置情報を配信する車車間通信の信号を歩行者が傍受することで,GPS衛星に加えて車両との距離を推測し,得られた2種類の距離を併用して歩行者測位を行う手法が提案されている.しかし,既存手法では,電波伝搬特性を用いた歩車間距離推定において,あらかじめ測定されたデータから作成された固定の測距モデルを使い続けるため,モデル作成時と異なる環境では,歩車間距離推定精度が低下するという問題がある.そこで,本研究では,測位計算の特徴を利用して,オフラインで作成された測距モデルを,オンラインで得られた歩車間信号を用いて更新することで,より正確に歩車間距離を算出し,歩行者測位精度を高める手法を提案・評価する.