本稿では、高専生が講師を務める「小学生を対象とするプログラミング講座」の実践について報告する。本講座は小学５，６年生児童７名を対象に全８回実施した。本講座では、最初にプログラミングに必要な基本知識について学習する系統型学習ではなく、受講生自身がプログラミングにより解決したい社会的課題とその方法を十分に吟味したうえでプログラミングの作成に挑戦する探求型学習を採用した。受講生の主体的な学びを期待するためである。実際、プログラミングに関する学習は基本構造である「順次進行」「条件分岐」「繰り返し」を解説し演習するに留め、プログラムを作成するためのアイデア出し作業を高専生との対話を通じて重点的に行った。