情報処理学会 第83回全国大会 会期:2021年3月18日~20日 会場:オンライン開催 情報処理学会 第83回全国大会 会期:2021年3月18日~20日 会場:オンライン開催

5S-01
ツイートデータを用いた精神状態と生活習慣の可視化システムの提案
○木村 幸,宮治 裕(青学大)
近年では精神疾患のために医療機関に通っている患者数は大幅に増加しており平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えている。また、昨今のコロナウイルスの流行のための外出自粛によって、ストレスを感じている人が多くなっている。一般にストレスは精神疾患の原因とされており、今後「コロナ疲れ」による精神疾患患者の増加が懸念される。精神疾患にはさまざまな種類のものがあり、疾患によっては症状や現れ方が多彩であるため、発症初期の症状では罹患していることに気づくことが難しい。以上の背景から本研究では精神疾患にかかることを予防することを目的とし、テキストから得られた精神状態や生活習慣を読み取ることができる情報の可視化を行うことでメンタルを管理するシステムの構築を目的とする。本研究では日常的な精神状態の管理を可能にするためにTwitterのツイートデータを用いる。ツイートデータを用いることでシステム利用者に定期的な自由記述や日記を書かせる等の手間減らし、システムを長期的に使ってもらえるようにしている。構築したシステムでは、可視化のために加工されたツイートデータを「よく使う単語セクション」、「生活習慣セクション」、「ツイート数と感情スコアの推移セクション」の3つのセクションに分けてダッシュボード上に可視化する。システム全体の評価については当システムは精神状態や生活習慣を管理する効果があったかという質問の評価が高かったことから、提案するシステムは有効であるといえる。しかし、「効果的である」と答えた人よりも「少し効果的である」と答えた人の方が多く、改善の余地があるといえる。とくに単語の感情分析の精度の改善を求めるコメントが多かったことから、単語の感情分析の精度を改善することで、よりシステムの有効性を向上させることができるといiえる。また、当システムで自動でのツイート収集が可能になった場合、システムを継続して使いたいかどうかという質問に対して「使いたいと思う」という回答が非常に多かったことから、今後システムを実用化していく上でツイートの自動収集機能の追加が必要であるといえる。