近年，顧客の特徴・ニーズ等を把握することを目的に，ユーザが記述した文章を対象とした自然言語処理解析が，様々な分野において行われている．中でも，文章中に出現する単語や文脈を用いた感情推定は，ユーザが文章を記載した際の心情の把握に繋がり，マーケティング活動において有益な知見となりうる．筆者らは文章には書き手の感情が表れているものであり，従来のポジティブ・ネガティブという単純な2極の感情だけではなく，例えば喜怒哀楽のように，より複雑な感情を抽出可能であると考える．そこで本研究では，食事に関する約3万件の日記データを用いて，文書構造から10感情（喜，怒，哀，怖，恥，好，厭，昂，安，驚）の推定を試みる．