近年、日本の鉄道において遺失物の発生件数が増加傾向にあり、車内での発生件数は約7割を占める。しかし、遺失物の発見やその情報の登録は人の手によって行われており、これらが駅係員の負担になったり、登録まで時間がかかるといった課題がある。本研究は最近、鉄道車両内に取り付けが進む車内防犯カメラの映像を用いて、遺失物の検知と専用の識別タグによる自動登録を行う。乗客が降車をした後での車内の遺失物発見や、駅係員が車内で識別タグを遺失物に取り付けることで、車内の見回りや、遺失物回収後に駅係員が手動で遺失物をデータベースに登録することによる作業の負担軽減、登録を行うまでの時間の短縮を目的とする。