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タイミング情報のサブバンド分解を用いたRNNによる音楽表情付け
楽譜に書かれたピアノ楽曲への音楽表情付けは音楽情報処理の中で主要なテーマであり、近年ニューラルネットを用いた表情付けの研究が多く行われるようになった。本稿では、双方向型LSTMに基づいたRecurrent Neural Network (RNN)を用い表情付けを行う際、タイミング情報に対しサブバンド分解を施すことを提案する。サブバンド分解により、楽譜上の発音時刻と演奏上の時刻との関係が、巨視的なテンポの揺らぎと各音における時間偏差に分解される。これにより特にポリフォニック音楽において、豊かなアゴーギク表現の生成が期待できる。この手法の有効性を検証するため、アンケートによる主観的評価を行った。