情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
IPSJ-ONE
日時:3月7日(土)15:20-17:50
会場:第1特別会場(12号館 401 イノベーションホール)
【セッション概要】情報処理学会には多数の研究会がある一方,異分野で現在注目されている研究を知る機会は少ない.本企画では,多様な研究分野を垣根なく俯瞰するため,各研究会に対し,優れた研究を遂行しておりプレゼン力も高い,若手を中心とした研究者を推薦する形式で募集し,招待講演者を厳選する.講演内容も,専門家のみならず,高校生,学部生,他分野の聴衆が理解しやすいよう配慮する.本企画を通じて,異分野交流など研究の発展に向けたコラボレーションや展開を作り出していく場の構築を目指す.マスメディア・ネットメディア,動画中継,ステージ演出を含め,研究者の将来にも繋がる情報発信や,人脈形成に向けた多数のアウトリーチを予定している.
イベント司会:牛久 祥孝 (オムロンサイニックエックス株式会社/株式会社Ridge-i)
【略歴】2013年東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了.2013年日本学術振興会特別研究員およびMicrosoft Research Redmond Intern.2014年NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員.2016年東京大学情報理工学系研究科講師.2018年オムロンサイニックエックス(株)プリンシパルインベスティゲーター,2019年(株)Ridge-iチーフリサーチオフィサー,現在に至る.主として画像キャプション生成や画像認識,クロスメディア理解の研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,日本ロボット学会,人工知能学会,IEEE,ACM各会員.
イベント司会:村尾 和哉 (立命館大学 情報理工学部)
【略歴】2010年大阪大学大学院情報科学研究科博士課程後期課程修了(短縮).博士(情報科学).日本学術振興会特別研究員PD,神戸大学大学院工学研究科助教,立命館大学情報理工学部助教,独Freiburg大学Visiting Researcherを経て,2017年より同准教授.ウェアラブル,ユビキタス,モバイルコンピューティング,人間行動認識の研究に従事.情報処理学会,日本データベース学会,ヒューマンインタフェース学会,IEEE,ACM各会員.
研究会推薦:招待講演(1) 生体信号が伝えるメッセージを読み解く
[電子化知的財産・社会基盤研究会]
湯田 恵美 (東北大学 大学院工学研究科 電気エネルギーシステム専攻)
【講演概要】生体センサ,情報処理,そして生体情報を活用する社会制度の進歩が,生体信号から様々なメッセージを読み取ることを可能にしています.運転に対する年齢の影響,熱中症の予兆がわかれば人の命が守られます.女性性周期の同定や生体ビッグデータ解析は健康や生活品質の改善に役立ちます.最近の研究成果と,ヒトの生体信号が語る意外なメッセージを紹介します.
【略歴】筑波大学大学院修了,博士(学術).2013年サンタモニカ大学コンピュータサイエンス専攻リサーチアシスタント,2015年名古屋市立大学大学院医学研究科 NEDOプロジェクト研究員,2019年東北大学大学院工学研究科 学術研究員を経て,同年5月より東北大学大学院工学研究科 電気エネルギーシステム専攻 助教.生体情報学,とりわけ生体ビッグデータ解析と生体信号処理に関する研究に従事.IEEE Senior Member.
 
研究会推薦:招待講演(2) 世界を書き換えるダイナミックプロジェクションマッピング
[コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究会]
宮下 令央 (東京大学 大学院 情報理工学系研究科)
【講演概要】私たちの目に映る世界は本当に目に見える通りなのでしょうか?「十分に発達した科学技術は,魔法と見分けがつかない.」とSF作家のアーサー・C・クラークが述べたように,最先端のプロジェクションマッピング技術は,私たち人間の目の性能限界を超える高度な投映によって現実を偽装し,魔法のように世界を書き換えていきます.本講演では,動く物体もリアルタイムに計測し,物体にぴったり合う映像を瞬時に作って投映することで,見た目を自在に操るダイナミックプロジェクションマッピングシステムを紹介し,その裏側にある高速画像処理技術について解説します.
【略歴】2017年東京大学情報理工学系研究科システム情報学専攻博士課程修了.博士(情報理工学).日本学術振興会特別研究員(DC1).2017年より東京大学大学院情報理工学系研究科特任助教.高速センシングや高速ディスプレイ,またそれらを用いた拡張現実に関する研究に従事.映像情報メディア学会 丹羽高柳賞論文賞,井上科学振興財団 井上研究奨励賞,船井情報科学振興財団 研究奨励賞など.
 
研究会推薦:招待講演(3) 異分野からの挑戦状 -Webシステムを物質と捉えた設計アプローチ-
[インターネットと運用技術研究会]
熊谷 将也 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所)
【講演概要】Webサービスは,24時間365日動き続けることが求められる一方で,システムの複雑化により,安定性や快適性の維持が難しくなっています.そこで私は,物理学や化学の観点からこの問題の解決を図る研究をしています.例えば,身の回りの物質は多くの原子から,Webシステムは多くのコンピュータから構成されています.各コンピュータを原子と捉え,安定性や性能を最適化する引力・斥力を定義することで,組合せや結びつき,空間的配置を自己組織化挙動により決定できる可能性があります.本講演では,この関係性の解明,および安定で高性能な物質の設計を模したWebシステムの新しい設計アプローチの実現に向けた挑戦を紹介します.
【略歴】2017年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了.博士号(工学).日本学術振興会特別研究員(DC2).2017年よりさくらインターネット(株)さくらインターネット研究所に所属.同年より,理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員を兼務し,マテリアルズ・インフォマティクス研究に従事.材料工学と情報工学の知識を双方に生かした学際的研究に主眼を置く.2019年International Conference on Thermoelectrics (ICT2019)ポスター賞など受賞.
 
研究会推薦:招待講演(4) 集積回路の潜在能力を100%引き出す設計技術
[システムとLSIの設計技術研究会]
増田 豊 (名古屋大学 大学院情報学研究科)
【講演概要】私達が日々利用する情報技術は,全て集積回路を利用しています.集積回路には,数十億個などの膨大な数のトランジスタ (回路を構成する基本パーツ) が搭載されていますが,実はこれらのトランジスタの性能は同一ではなく,ばらつきがあります.従来の回路設計では,性能の最も悪い回路に動作速度を合わせており,他の大半の回路は自身の能力を十分に発揮することが困難でした.我々は,集積回路の高性能化・省電力化の推進に向けて,各回路が自身の潜在能力を 100% 引き出す設計パラダイムの実現を目指しています.本講演では,回路自身が自律的に動作速度を制御する設計技術と実装方法を紹介します.
【略歴】2019年3月 大阪大学大学院情報科学研究科博士課程修了 博士(情報科学). 日本学術振興会 特別研究員 DC2. 2019年4月より名古屋大学大学院情報学研究科助教. 集積回路のCAD 技術,特に省電力,高信頼設計技術,性能評価技術と製造後テスト技術の研究に従事. 情報処理学会山下記念研究賞受賞,IEEE CEDA All Japan Joint Chapter Academic Research Award 受賞など.情報処理学会,電子情報通信学会,IEEE 各会員.
 
研究会推薦:招待講演(5) 組合せ爆発処理班が問題解決!〜数え上げおねえさんを救え!〜
[数理モデル化と問題解決研究会]
石畠 正和 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
【講演概要】私たちは日々,多くの選択肢からどれかを選んで行動しています.選択肢の数をn,選択の回数をmとすれば,可能な組合せはnのm乗というとてつもない数になります.かつて「数え上げおねえさん」が私たちに教えてくれたように,「組合せ爆発」の爆風を真正面から受けると,その処理には途方も無い歳月を要することになります.私たちはこの組合せ爆発から人々を救う爆発処理班です.一見途方も無い数の組合せに見えても,我々が日々培っている「離散構造処理技術」を使えば,それらを数秒で処理することも可能です.本講演では組合せ爆発から人々(もちろんおねえさんも!)を救う離散構造処理技術を紹介します.
【略歴】2013年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士課程修了,博士(工学).2010年から2013年まで日本学術振興会特別研究員(DC1).2013年から2016年までNTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員.2016年から2018年まで北海道大学大学院情報科学研究科特任助教(NTTより出向).2018年より現職.2008年人工知能学会研究会優秀賞,2013年人工知能学会論文賞受賞.
 
研究会推薦:招待講演(6) 自動作曲への飽くなき挑戦
[音楽情報科学研究会]
深山 覚 (産業技術総合研究所 情報技術研究部門 メディアインタラクション研究グループ)
【講演概要】自動作曲は何を実現し,何を明らかにしようとしているのか.人と音楽の関わり方をどう変えるのか.私のこれまでの研究をもとに,自動作曲の底知れぬ魅力と,現在私が取り組んでいる挑戦について語ります.
【略歴】2013年東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了.博士(情報理工学).日本学術振興会特別研究員(DC2),産業技術総合研究所研究員を経て,2017年より同研究所主任研究員.2018年中央研究院(台北)客員研究員.専門は音楽情報学.2009年度情報処理学会山下記念研究賞受賞.
 
研究会推薦:招待講演(7) ドローン x インターフェースの世界
[ヒューマンコンピュータインタラクション研究会]
山田 渉 (株式会社NTTドコモ/東京大学 先進技術研究所/学際情報学府)
【講演概要】無人航空機(ドローン)は近年,輸送や撮影など様々な活用が期待され急速に普及が進んでいます.そしてこの空間を自在に飛び回ることができるドローンを輸送や撮影といった用途だけでなく,新たな情報インタフェースとして活用するHuman-Drone Interactionと呼ばれる新たな研究分野が盛んになってきてます. 本講演では,私がこれまでに取り組んできたドローンを使った新たな空中映像システムである浮遊球体ドローンディスプレイや, プロペラがなく安全に飛行することが可能な羽根のないドローンといったHuman-Drone Interactionに関わる研究を紹介します.
【略歴】2012年東京大学大学院学際情報学府修士課程修了.同年より(株)NTTドコモ先進技術研究所に所属.同社では主にドローンを用いた映像提示技術やヘッドマウントディスプレイ等のユーザインターフェース技術及びTwitterを用いたイベント情報自動抽出技術といった機械学習に関する研究に従事.2017年東京大学大学院学際情報学府博士後期課程入学.情報処理学会及びACM会員.
 
研究会推薦:招待講演(8) 人間中心にセキュリティ技術を再考する
[セキュリティ心理学とトラスト研究会]
長谷川 彩子 (NTT セキュアプラットフォーム研究所 サイバーセキュリティプロジェクト)
【講演概要】本講演では,人間の心理や行動に焦点を当てた研究を通じてセキュリティ技術を再考する取り組みを紹介する.一例として,ログイン関連画面のセキュリティ技術を取り上げる.不正アクセスの被害が頻発する昨今,技術者は不正アクセスを防ぐセキュリティ技術を実装してきた.しかし改めて人間の心理に焦点を当てると,不正アクセス以前に,アカウント所有を他人に知られることがプライバシー脅威となる可能性はないだろうか.その場合,現在のセキュリティ技術では不十分でないだろうか.人間中心にセキュリティ技術を再考することで,人間の認識とセキュリティ技術との齟齬を失くし,人間がセキュリティ技術の恩恵を享受できる世の中を実現したい.
【略歴】2015年お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科理学専攻博士前期課程修了.同年より現職.ユーザブルセキュリティ・プライバシー分野の研究に従事.
 
研究会推薦:招待講演(9) リアルタイムシステムが支える自動運転技術
[組込みシステム研究会]
安積 卓也 (埼玉大学 大学院理工学研究科)
【講演概要】近年,自動車が無人で走るための自動運転の技術開発が,目覚ましい勢いで進んでいます.自動運転は,自分がどこにいるかを判断する「自己位置推定」,信号機・ほかの車・人を認識する「環境認識」,今いる場所から目的地までの経路を決める「経路計画」,決めた経路に沿って走る「経路追従」などで成り立っています.こうした複数の複雑な処理を同時にこなすことで,自動運転は成り立ちます.本講演では,リアルタイムシステム(決められた時間以内に処理を終了する)を中心に自動運転の実用化の研究について紹介します.
【略歴】埼玉大学 大学院理工学研究科・准教授,(株)エンブフォー・最高技術責任者(CTO),博士(情報科学). 名古屋大学 大学院情報科学研究科後期博士課程修了.立命館大学情報理工学部・助教,カリフォルニア大学アーバイン校・客員研究員,大阪大学 大学院基礎工学研究科・助教を経て,2018年より現職.
 
研究会推薦:招待講演(10) 安全なAIの実現に向けて
[コンピュータセキュリティ研究会]
荒井 ひろみ (理化学研究所 革新知能統合研究センター )
【講演概要】近年,機械学習をはじめとするデータ分析技術によって知識を抽出,利用するAIの開発,普及が急速に進んでいます.それに伴い,プライバシ侵害や,ブラックボックスAIの挙動の把握の困難,AIによる差別などの問題が明らかになってきました.例えばAIの学習に用いられた個人データの漏洩.AIを用いたスコアリングにおける差別,さらに複雑なAIを説明する際に差別の存在がごまかされるリスクなどがあげられます.このようなAIの利用におけるリスクについて紹介し,リスク対策を行うことにAIより安全,安心にする研究について紹介します.
【略歴】2010年 東京工業大学大学院総合理工学研究科単位取得退学.博士(理学).理化学研究所基礎科学特別研究員,東京大学情報基盤センター助教などを経て2017年より理化学研究所革新知能統合研究センター研究員.2017年よりJSTさきがけ研究員兼任.2016年度情報処理学会山下記念研究賞受賞.
 
研究会推薦:招待講演(11) 創薬・材料開発のための深層学習技術
[バイオ情報学研究会]
椿 真史 (産業技術総合研究所 人工知能研究センター)
【講演概要】本講演では,創薬・材料科学への機械学習応用について紹介します.特に近年,深層学習技術が創薬や材料で扱われる分子化合物や結晶に応用され,その物性や機能を高速かつ高精度で予測できるようになってきました.しかしながら,単に予測できるだけでなく,その過程を解釈できなければ,創薬や材料開発に従事する科学者・技術者たちにとってあまり役に立たないのが現状です.本講演では,様々な科学分野の人々と機械学習の研究者・技術者が,積極的にコラボレートすることの重要性についても述べたいと思います.
【略歴】2010年 東京工業大学大学院総合理工学研究科単位取得退学.博士(理学).理化学研究所基礎科学特別研究員,東京大学情報基盤センター助教などを経て2017年より理化学研究所革新知能統合研究センター研究員.2017年よりJSTさきがけ研究員兼任.2016年度情報処理学会山下記念研究賞受賞.
 
研究会推薦:招待講演(12) 人間と共生するロボット技術〜介護・医療・福祉教育への適用〜
[アクセシビリティ研究会]
三枝 亮 (神奈川工科大学 創造工学部)
【講演概要】本講演では,人間共生型ロボット「Lucia(ルチア)」と身体インターフェースの技術について,介護・医療・福祉教育分野への適用事例を中心に紹介します.具体的には,ロボット・AI・インターフェースに基づく施設内の夜間見回り,遠隔存在感とコミュニケーション,歩行や手指動作のリハビリ,バイタル計測による健康支援などについて触れます.また,産官学共同研究で見守りロボット「くるみ」を製品化した際の企業への技術移転,導入現場となるユーザ施設とルールを管轄する行政との連携についても紹介します.人から生きる力を引き出すためのロボットの役割や事業化におけるニーズ理解の重要性などについて議論を深められれば幸いです.
【略歴】2004年早稲田大学助手,2007年Istituto Italiano di Tecnologia SPD,豊橋技術科学大学特任准教授,2018年神奈川工科大学准教授.博士(工学).人間機械共生の研究に従事.2016年愛知県重点研究II研究リーダー,2018年厚生労働省介護ロボット事業PC,2019年天竜厚生会評議員,日本女子大学非常勤講師,㈱新東工業と介護施設向け見守りロボットくるみを製品化.
 
研究会推薦:招待講演(13) IoTでコミュニティバスをアップデートせよ!
[高度交通システムとスマートコミュニティ研究会]
鈴木 秀和 (名城大学 理工学部情報工学科)
【講演概要】近頃,MaaS(Mobility as a Service)や自動運転バスなど,次世代移動サービスや先端技術が注目を集めています.一方,地方自治体が運営するコミュニティバスでは遅延時間がわからなかったり,バス停に貼られた時刻表や路線図は劣化してほとんど見えなかったり,Society 5.0の実現にはほど遠い現状があります.そんなバスサービスをアップデートすべく,我々はIoT技術とオープンデータを活用した新しいバスロケーションシステムを開発しています.本講演では低コスト低容量なIoT向け無線通信技術LPWAと電子ペーパーを利用して運行情報を提供するスマートバス停とその応用例について紹介します.
【略歴】2009年名城大学大学院理工学研究科電気電子・情報・材料工学専攻博士後期課程修了.博士(工学).日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)を経て,2010年名城大学理工学部助教.2015年より同大学理工学部准教授および東北大学電気通信研究所共同研究員を兼務.モバイルネットワークやホームネットワーク等におけるネットワークアーキテクチャやプロトコルのほか,スマートコミュニティに関する研究に従事.IPSJシニア会員およびIEEE,ACM,電子情報通信学会各会員.
 
研究会推薦:招待講演(14) ちょっと先の未来を見通す力:シミュレーションで実現する防災IT社会
[モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム研究会]
廣井 慧 (名古屋大学 大学院工学研究科)
【講演概要】「さっきまで晴れていたはずなのに突然の大雨が…」なんていう経験はありませんか?地球の気候はどんどん変化していて,驚くほど強い雨や突然の洪水がたびたび発生する未来が現実になろうとしています.このように,変わりつつある地球に住む私たちに,ちょっと先の未来を教えてくれるシステムがARIAです.この講演では,夕立のような日常的な雨から,台風や洪水などの大きな災害のときまで,シミュレーション連携やデータ同化,多元データフュージョンといった最新の技術を使って,街の状況を予測するARIAの手法について紹介します.
【略歴】2014年慶應義塾大学メディアデザイン研究科博士課程修了.2014年名古屋大学未来社会創造機構特任助教.2018年6月名古屋大学大学院工学研究科助教,現在に至る.主として災害時の被害予測,防災情報システム,災害情報通信の研究に従事.2011年名古屋市長表彰,2017年前田記念工学振興財団山田一宇賞等受賞.
 
研究会推薦:招待講演(15) 会話の音声言語を機械が理解する世界に向けて
[音声言語情報処理研究会]
増村 亮 (NTT メディアインテリジェンス研究所)
【講演概要】音声認識や音声言語処理を用いた技術はここ数年の間に広く実用化が進み,音声検索等の単発話入力に対するタスクでは,実世界で使えるレベルの性能を実現できております.これに対して,会議や電話などの会話タスクでは,複数人が登場してかつ,複数発話から構成された話し言葉の音声入力を扱う必要があるため,性能面でまだまだ課題は多く,特に様々な情報をより精緻に考慮した音声認識や音声言語処理の仕組みが不可欠です.本発表では,会話単位の長時間の時間方向の状況や,各発話を誰が話していたのかという情報などまで考慮した音声認識や音声言語処理について,講演者自身の最近の研究について紹介します.
【略歴】2011年東北大学大学院工学研究科博士前期課程修了.2016年東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了.2011年日本電信電話(株)入社.現在,NTTメディアインテリジェンス研究所特別研究員.音声認識や自然言語処理など,メディア処理の研究開発に従事.博士(工学).2013年日本音響学会粟屋潔学術奨励賞,2014年情報処理学会山下記念研究賞,2015年言語処理学会若手奨励賞,2019年電子情報通信学会情報・システムソサイエティ論文賞等受賞.