情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
MEC(Multi-access Edge Computing)への挑戦
日時:3月6日(金)9:30-11:30
会場:第4イベント会場(23号館 330)
【セッション概要】5Gに代表される低レイテンシィ,高バンド幅の無線ネットワークの普及により,今までクラウドで行われた処理を,基地局で行うことができる.このような手法をMEC(Multi-access Edge Computing)と呼び,工場内のロボット制御,スマートシティにおける交通制御,電力制御などへの応用が期待される.MECは,従来のエッジコンピューティングに比べてマルチアクセス性能,リアルタイム性能が要求される一方で,大規模なクラウドに比べて利用可能な電力,コストはクラウドに制限される.このようなMEC用のシステムアーキテクチャ,システムソフトウェア,アプリケーションを探る.
司会:天野 英晴 (慶應義塾大学)
【略歴】1986年慶應義塾大学工学研究科電気工学専攻修了,工学博士.現在,同大学理工学部情報工学科教授,コンピュータアーキテクチャを研究.
9:30-10:10 基調講演 MECが実現する機能とインフラへの要求
工藤 知宏(予定) (東京大学 情報基盤センターネットワーク研究部門 教授)
【講演概要】Multi-Access Edge Computing (MEC)は,無線基地局近傍に計算資源を配置し,エッジデバイスと通信しつつ処理を行う手法である.低コストが求められ処理能力や利用可能な電力が限られる末端のデバイス(エッジデバイス)の処理の一部をMECにより行うことが期待されている.遠隔のクラウドと比べて通信遅延が小さく通信容量も大きくとれるという特徴を生かし,クラウドへのオフロードが困難なリアルタイム処理や大容量データ処理を行う.基地局につながる多くのデバイスで計算資源を共用する点で,クラウドに似ているが,リアルタイム性を実現すること,低消費電力であることなどが求められる.本講演では,MECに求められる機能とそれを実現するための計算資源への要求,そしてそこでのFPGAの可能性について述べる.
【略歴】1991年 慶大・理工・電気工学専攻博士課程了.1991年~1997年東京工科大学情報工学科助手/講師/助教授.1997年~2002年技術研究組合新情報処理開発機構.2002年4月(独)産業技術総合研究所.2015年4月より東京大学情報基盤センターネットワーク研究部門教授(工学系研究科電気系工学専攻兼担).産業技術総合研究所特定フェロー.
 
10:10-11:30 MECデータセンター用システムのアーキテクチャ,ソフトウェア,CAD,アプリケーション
パネル司会:天野 英晴 (慶應義塾大学)
【略歴】1986年慶應義塾大学工学研究科電気工学専攻修了,工学博士.現在,同大学理工学部情報工学科教授,コンピュータアーキテクチャを研究.
パネリスト:西 宏章 (慶應義塾大学 理工学部 教授)
【略歴】1999年 慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了,博士(工学).同1999年 新情報処理開発機構並列分散システムアーキテクチャつくば研究所入所.2002年 (株)日立製作所中央研究所勤務の後,2003年慶應義塾大学理工学部助手を経て2014年より現職.美園タウンマネジメント協会会長および(一社)美園タウンマネジメント代表理事としてスマートタウン実証,(一社)おもてなしICT協議会理事長として観光情報インフラ,(一社)エッジプラットフォームコンソーシアム理事としてスマートシティにおけるエッジ応用などにかかわりつつ,IEEEなどでIoT,エッジ,スマートシティに関連する技術標準化ワーキンググループのチェアならびに委員を務めている.
パネリスト:菅谷 みどり (芝浦工業大学 工学部情報工学科 教授)
【略歴】2007年 早稲田理工学研究科,情報/ネットワーク専攻(博士課程)卒業後,助手, 科学技術振興機構,ディペンダブル組込みOS研究開発センター,CREST研究員を経て,横浜国立大学,講師,CREST研究員,2013に芝浦工業大学,工学部,情報工学科 准教授.2017年より同大学,教授.
パネリスト:若林 一敏 (日本電気(株) スマートインダストリー本部,データサイエンス研究所 シニアエキスパート,主幹研究員)
【略歴】1986年東京大学大学院修士卒,博士(工学)
1986年NEC中央研究所入社 現在にいたる
途中,'93~'94 米国スタンフォード大学客員研究員
LSIの設計自動化,特に高位合成ツールの研究開発から事業化までを実施
山崎貞一賞,情報処理学会喜安記念業績賞,信学会功績賞等を受賞.
パネリスト:飯田 全広 (熊本大学)
【略歴】1988年三菱電機エンジニアリング入社,1997年九州工業大学博士前期修了,2002年熊本大学博士後期修了.同年,博士(工学).2002年から2005年までJSTさきがけ研究員兼務,2003年から熊本大学助教授,2007年に職制変更で准教授,2016年から同大学教授.コンピュータアーキテクチャを中心にデバイス構造,VLSI設計手法,システムソフトウェアなど,ハードウェアとソフトウェアを融合した領域が主たる研究テーマ.最近はFPGAアーキテクチャやFPGAコンピューティング,さらにAIエッジコンピューティングに拡大中.