情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
2019年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
日時:3月5日(木)9:30-12:00
会場:第3イベント会場(23号館 221)

【セッション概要】78回大会より毎年開催している一年間のサイバー事件を振り返る企画.2019年はGAFAに代表されるプラットフォーマーに関連する様々な事件があり,国内外でその対処について議論された.技術インフラとしてはQRコード型の電子決済が一気に普及した.また,情報法政面では7月より不正競争防止法に「限定提供データ」が規定されビッグデータが保護されるようになった.個人情報保護法は三年毎の見直し規定により,改正案が検討されている.これら知的財産・社会基盤整備といった法制と情報技術の関係は,ますます重要な論点になっている.本パネル討論ではそうした法と技術の問題を扱うEIP研究会より,技術者の立場と,サイバー法や情報政策を研究する社会科学の研究者のそれぞれの立場から制度や技術の健全な発展について意見を述べ合うものである.

9:30-12:00 2019年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
【討論概要】2020年3月までに起きた,サイバー空間やITに関する様々な事件,問題,法律改正などについて多様な専門家からそれぞれの立場で意見を述べてもらう.
・海賊版サイトのブロッキング問題と著作権法の改正
・ビッグデータ保護に伴う不正競争防止法の改正
・コインハイブ一審判決
・GDPR等の欧米の新しい法制度の影響
・GAFA規制の新しい動き
・電子決済手段の普及,暗号資産の失速
・後を絶たない個人情報漏洩事件やネットワークへの侵入,その手段として使われる標的型攻撃を始めとする様々なサイバー攻撃
・ハイブリッド脅威
・2020年に控えたオリンピックを見越したサイバーインフラ防御のありかた
・その他,情報処理学会に関連する分野の様々な事件や裁判例
パネル司会:須川 賢洋 (新潟大学 法学部 助教)
【略歴】新潟大学大学院法学研究科修了.修士(法学).専門は情報法.コンピュータ犯罪,デジタル知的財産,情報セキュリティ制度,デジタル・フォレンジックなど,先端技術と法律の関係を中心に研究.共著に「ITセキュリティカフェ--見習いコンサルの事件簿」(丸善),「実践的eディスカバリ-米国民事訴訟に 備える」(NTT出版),「基礎から学ぶデジタル・フォレンジック」(日科技連)など.本会「電子化知的財産と社会基盤研究会(EIP)」前幹事.
パネリスト:原田 要之助 (情報セキュリティ大学院大学)
【略歴】
パネリスト:金子 格 (名古屋市立大学 大学院医学研究科 客員准教授)
【略歴】1980年早稲田大学卒.2004年博士(情報科学).(株)アスキーにてパソコンシステムソフトウエア,システムLSI,ASIC,ゲーム機ソフトウエアの開発に従事.その後グラフィックスコミュニケーションラボラトリーズ等でMPEG標準化国際WG委員に従事.2004年より東京工芸大学准教授.2018年より名古屋市立大学客員准教授.2015年 国際標準化貢献者表彰受賞.2018年FIT2018船井ベストペーパー賞. ICT技術全般,デジタル信号処理に詳しい.マルチメディア符号化伝送システム設計,デジタルコンテンツ配信.人工知能と社会制度,国際標準化の関係性.医療情報処理に関心を持つ.
パネリスト:小向 太郎 (日本大学 危機管理学部 教授)
【略歴】1987年早稲田大学政治経済学部卒.中央大学博士(法学).情報通信総合研究所取締役法制度研究部長・主席研究員,早稲田大学客員准教授等を経て,2016年4月より現職.1990年代初めから,情報化の進展によってもたらされる法制度の問題をテーマとした研究を行う.主著として『概説GDPR』共著,NTT出版・2019年)著,『情報法入門(第4版)デジタル・ネットワークの法律』(NTT出版・2018年),『情報通信法制の論点分析』(共著,商事法務・2015年),『プライバシー・個人情報保護の新課題』(共著,商事法務・2010年)などがある.
パネリスト:板倉 陽一郎 (ひかり総合法律事務所,理研AIP 弁護士)
【略歴】2002年慶應義塾大学総合政策学部卒,2004年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了,2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了.2008年弁護士(ひかり総合法律事務所).2016年4月よりパートナー弁護士.
2010年4月より2012年12月まで消費者庁に出向(消費者制度課個人情報保護推進室(現・個人情報保護委員会事務局)政策企画専門官).2017年4月より理化学研究所革新知能統合研究センター社会における人工知能研究グループ客員主管研究員,2018年5月より国立情報学研究所客員教授.
総務省・情報通信法学研究会構成員,消費者庁・デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会委員,IoT推進コンソーシアム・データ流通促進WG委員等.
情報処理学会電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)運営委員.法とコンピュータ学会理事,日本メディカルAI学会監事,一般社団法人データ流通推進協議会監事等.
パネリスト:折田 明子 (関東学院大学 人間共生学部 准教授)
【略歴】1998年慶應義塾大学総合政策学部卒,2000年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了,2007年同大学同研究科にて博士(政策・メディア)取得.中央大学ビジネススクール助教,慶應義塾大学特任講師,米国ケネソー州立大学Visiting Assistant Professor,関東学院大学人間環境学部専任講師を経て現職.若年層の情報リテラシー教育,死後のデータの扱いなど生涯にわたるデータとプライバシー領域の研究に従事.EIP研究会幹事.情報社会学会理事.
パネリスト:加藤 尚徳 (KDDI総合研究所 フューチャーデザイン1部門3グループ アナリスト)
【略歴】(株)KDDI総合研究所において,情報法制(プライバシー・個人情報等)を中心とした法制度や技術の調査・研究・コンサル業務に従事.また,大学の非常勤講師として,情報法,知的財産法,情報セキュリティに関する講義を担当している.総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻単位取得満期退学,修士(情報学),神奈川大学および神奈川工科大学非常勤講師,革新知能統合研究センター客員研究員,慶應義塾大学SFC研究所上席所員.