情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
論文必勝法 ~良い論文,良い査読,良いジャーナルを目指して~
日時:3月6日(金)12:40-15:10
会場:第3イベント会場(23号館 221)
【セッション概要】論文誌ジャーナル/JIP編集委員会主催の本セッションでは,現在,論文誌への掲載を目指して論文を執筆中もしくは,今後,執筆する予定のある情報処理分野の若手研究者の方々へ有益な情報を提供いたします.具体的には,まず,経験豊富な講師をお迎えして研究成果を論文として執筆する過程や,査読の状況などについてお話をいただきます.また,パネル討論では,編集委員会から編集長ならびに各グループの主査,および一部トランザクション誌の関係者にも登壇いただき,採録される多くの論文にみられる傾向や,査読コメントへの対応方法などのアドバイス,論文を出す前のチェック事項、および論文誌に関する最近の動向などについて情報提供と意見交換を行います.本セッションでは,論文著者の方のみならず,共著者の指導教員,査読をお引き受けくださる方にも是非ご参加いただき、良い論文,良い査読,良いジャーナルを目指して理解を深めていきたいと思います。
司会:湊 真一 (京都大学 大学院情報学研究科 教授)
【略歴】1988年 京大・工・情報工 卒,1990年同大学院修士了,1995年同博士(社会人)了.博士(工学).1990年より2004年までNTT研究所に勤務.1997年より1年間 米国スタンフォード大 客員研究員.2004年より北大・情報科学研究科 助教授,2010年10月より同教授.2018年より京大・情報学研究科 教授(現職).大規模離散構造データの処理アルゴリズムに興味を持つ.2009年10月より2016年3月までJST ERATO湊離散構造処理系プロジェクト研究総括.現在,日本学術会議連携会員,情報処理学会理事(シニア会員),電子情報通信学会シニア会員,IEEE,人工知能学会,日本計算機統計学会 各会員.
12:40-13:30 基調講演 盾と矛:査読者にアピールする論文の書き方と,著者が納得する査読の書き方
鬼塚 真 (大阪大学 大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻 教授)
【講演概要】研究者・技術者の楽しさの1つは,自分が作り出した成果を世に広めることにあると思う.
具体的には,企業と連携したり,プログラムを公開したり,論文としてまとめる方法がある.
本講演では,論文執筆にフォーカスを当て,著者と査読者の両方の立場から,論文と査読レポートの執筆についての経験を共有する.
論文の書き方:研究内容に関しては,査読者が「なるほど」と思えるようなアイデアが必要である.説明シナリオに関しては,分かりやすく実用的な running example を使って motivation を提示し,既存技術では何が問題であって,提案技術はこの問題をどのようなスマートなアイデアで解決するかをまとめることが重要である.説明する内容に関しては,論文の strong points を査読者が容易に納得できるように論文をまとめることが重要である(概要は誰もが理解できるように,詳細は技術レベルの高さをアピールするように).
査読の書き方:査読の書き方は,1)著者が査読内容を納得すること, 2)査読者間で議論になった時に「この査読者はこの論文を十分理解しているから賛成せざるを得ない」という印象を与えることが重要である.このために,査読論文の内容をどこまで深く理解しているかを質と量の観点で詳しく書き,strong points と weak points を的確・明瞭・詳細に記述することが重要である.
【略歴】1991 年東京工業大学卒.同年,NTT入社.2000-2001 年ワシントン大学客員研究員,2013-2014 年電気通信大学客員教授,2012-2014 年NTT 特別研究員.博士(工学) .現在,大阪大学大学院情報科学研究科教授.これまで主記憶オブジェクトリレーショナルデータベース LiteObject,XMLストリーム処理エンジン XMLToolkit,クラウド基盤システム CBoC type2 の研究開発に従事.現在は,大規模グラフ分析,分散処理クエリ最適化,機械学習等を用いたデータ分析処理に取り組んでいる.
 
13:30-15:10 良いジャーナルを目指して
【討論概要】良いジャーナルを刊行することを目指し,本会の論文誌編集委員会がどのように活動しているかを紹介するとともに,査読の際の対応などについて討論します.
パネル司会:中山 泰一 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
【略歴】1988年東京大学工学部計数工学科卒業.1993年同大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.博士(工学).現在,電気通信大学大学院情報理工学研究科教授.
本会では,論文誌ジャーナル編集委員会編集長,情報処理教育委員会委員,初等中等教育委員会副委員長などを務める.2014年度本会学会活動貢献賞,2016年度本会山下記念研究賞,2017年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞.本会シニア会員.
パネリスト:大平 雅雄 (論文誌ジャーナル 基盤グループ主査/和歌山大学 システム工学部 准教授)
【略歴】2003年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(工学).同大学助教を経て2012年和歌山大学システム工学部講師(2014年より准教授).ソフトウェア工学,特にリポジトリマイニングの研究に従事.情報処理学会ソフトウェア工学研究会幹事(2013〜2016年),同会論文誌編集委員会情報システムグループ委員(2007〜2010年),基盤グループ委員(2016年〜),同副査(2017,18年),同主査(2019年).
パネリスト:野呂 正明 (富士通研究所)
【略歴】1990年名古屋大学大学院博士課程前期課程終了,同年富士通研究所入社.2002~2004年通信放送機構,2004~2008年情報通信研究機構,2008年に復職.同年大阪大学大学院博士課程後期課程修了.博士(情報科学).情報処理学会 2014年度山下記念研究賞.ネットワークプロトコル,品質制御,ネットワークの運用管理等の研究開発に従事.情報処理学会マルチメディアと分散処理研究会幹事.情報処理学会論文誌CDSトランザクション編集委員.2019年情報処理学会論文誌ジャーナル編集委員会ネットワークグループ主査.
パネリスト:波多野 大督 (論文誌ジャーナル 知能グループ主査/理化学研究所 革新知能統合研究センター 特別研究員)
【略歴】2013年神戸大学大学院海事科学研究科海事科学専攻博士後期課程修了(工学博士).2013年~2018年,国立情報学研究所ビッグデータ数理国際研究センター特任研究員.現在,理化学研究所革新知能統合研究センター特別研究員.分散制約最適化,マルチエージェントシステムの研究に従事.情報処理学会論文誌編集委員会知能グループ委員(2016年~),同副査(2017年~),同主査(2019年~).
パネリスト:真鍋 宏幸 (論文誌ジャーナル 情報システムグループ主査/芝浦工業大学 情報工学科 准教授)
【略歴】2001年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了.同年NTTドコモ入社.2015年東京工業大学大学院情報理工学研究科修了.博士(工学).2019年より芝浦工業大学工学部情報工学科准教授.ウェアラブル/ユビキタスコンピューティング,入出力デバイスの研究に従事.情報処理学会論文誌編集委員会情報システムグループ委員(2016年~),同副査(2017~2018年),同主査(2019年~).
パネリスト:細野 繁 (デジタルプラクティス誌 編集委員長/東京工科大学 准教授)
【略歴】1994年横浜国立大学大学院工学研究科博士前期課程修了,2015年首都大学東京大学院博士後期課程修了,博士(工学).1994年日本電気(株)入社,2019年より現職.サービスシステムデザインの研究に従事.電子情報通信学会サービスコンピューティング研究専門委員会 委員長(2014-15年度), 日本機械学会設計工学・システム部門 部門長(2016年度),情報処理学会 会誌編集委員会AWG分野主査(2017-18年度),同会デジタルプラクティス誌編集委員会 委員長(2019年度)