情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス
情報学のトップ才能からエリートへ-才能の発掘,接続,達人の養成-
日時:3月7日(土)10:30-12:00
会場:第1イベント会場(6号館 334 多目的ホール)
【セッション概要】現在,我が国の情報学分野における高校生のトップ才能は,自信をもって世界トップクラスと言える.実際,高校生が参加する情報オリンピックでは常にトップ5をキープしている.しかしながら,我が国における情報学分野のエリート研究者養成は,高校年代で世界トップクラスの才能を多数抱えているにもかかわらず,高校,高専,大学,そして大学院と連携・接続がない状況である.このような状況を鑑みて,高校年代の情報学分野のトップ才能と,大学・大学院のエリート研究者との接続を行い,さらに日本を代表する情報学分野の研究者との共同研究の場を提供するための施策について議論する.
全体司会:岡部 寿男 (京都大学 教授)
【略歴】1988年京都大学大学院工学研究科修士課程修了,京都大学博士(工学).2002年より現職.インターネット技術,並列・分散システムとアルゴリズム,ネットワークセキュリティなどの研究に従事.2018年より本会副会長.
10:30-10:40 講演(1) グローバルサイエンスキャンプ(GSC)と「情報科学の達人」育成官民協働プログラムについて
日紫喜 豊 (国立研究開発法人科学技術振興機構 理数学習推進部 能力伸長グループ調査役)
【講演概要】JSTの次世代人材育成事業グローバルサイエンスキャンプ(GSC)では,将来グローバルに活躍しうる傑出した科学技術イノベーション人材を育成することを目的としています.本講演ではGSCの概要と,高校段階から世界で活躍するトップレベルIT人材育成を図る「情報科学の達人」育成官民協働プログラムの趣旨について述べる.
【略歴】1989年一橋大学法学部卒,民間企業を経てJST(旧JRDC)に入社.総務部,基礎研究推進部,文部科学省出向,地域事業推進室,理数学習支援部,研究開発戦略センター等を経て現職.
 
10:40-11:10 講演(2) 情報学分野の若手トップ研究者育成プログラムの展望
河原林 健一 (国立情報学研究所 教授・副所長)
【講演概要】講演者は,現在,高校生・高専生のトップ才能(情報オリンピック経験者など)が,日本のトップ研究組織で研究遂行を行うプログラム「情報科学の達人」と,大学院生,そして若手研究者対象のACT-X「数理・情報のフロンティア」の総括を行っている.
本講演では,これらのプログラム(特に前者)を通して,10年間でどのように数多くのトップ研究者を育成していくか? を講演する予定である.
【略歴】1998年慶応大学理工学部卒,2001年慶応大学理工学研究科後期博士課程修了(理学博士).2003年東北大学情報科学研究科助手,2006年国立情報学研究所助教授,2009年より同教授,2019年より同副所長.現在ビッグデータ数理国際センター長,およびJST ACT-X「数理・情報のフロンティア」の総括.離散数学,アルゴリズム,理論計算機科学からAI,データマイニングの研究に従事.2008年度IBM科学賞,2012年度日本学術振興会賞,日本学士院学 術奨励賞.SODA’13 Best paper.
 
全体司会・パネル司会(兼務) 情報科学の達人の育成に向けて
【討論概要】GSC「情報科学の達人」プログラムでは,世界のトップクラスの数学理解,アルゴリズム理解,プログラミング・ソフトウェア開発能力等を持つ高校生・高専生に,最先端の情報学研究に触れてもらい,さらに受講生自身が日本の情報学分野のトップクラスの若手研究者と共同研究を行う.そして,このような共同研究を通して,情報学分野の世界のトップクラスにたどり着ける道を受講生に提供するよう試みる.本パネル討論では,このプログラムを共同で実施する国立情報学研究所,情報オリンピック日本委員会ならびに情報処理学会それぞれの立場から,このプログラムへの期待と実施にむけての取り組みについて述べる.
パネル司会:岡部 寿男 (京都大学 教授)
【略歴】1988年京都大学大学院工学研究科修士課程修了,京都大学博士(工学).2002年より現職.インターネット技術,並列・分散システムとアルゴリズム,ネットワークセキュリティなどの研究に従事.2018年より本会副会長.
パネリスト:河原林 健一 (国立情報学研究所 教授・副所長)
【略歴】1998年慶応大学理工学部卒,2001年慶応大学理工学研究科後期博士課程修了(理学博士).2003年東北大学情報科学研究科助手,2006年国立情報学研究所助教授,2009年より同教授,2019年より同副所長.現在ビッグデータ数理国際センター長,およびJST ACT-X「数理・情報のフロンティア」の総括.離散数学,アルゴリズム,理論計算機科学からAI,データマイニングの研究に従事.2008年度IBM科学賞,2012年度日本学術振興会賞,日本学士院学 術奨励賞.SODA’13 Best paper.
パネリスト:筧 捷彦 (特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会 理事長/早稲田大学 名誉教授)
【略歴】1970年東京大学大学院卒業後,同校助手,立教大学助教授などを経て1986年早稲田大学理工学部(現,基幹理工学部)教授に就任,2016年には同校名誉教となる.情報処理技術の標準化と情報教育推進に注力し,ACM-ICPC日本ICPC Board 議長,パソコン甲子園プログラミング部門審査委員長など,多数コンテストの委員経験をもつ.
U-22プログラミング・コンテストには2015年より審査委員長として関与,現在は情報オリンピック日本委員会理事長,情報科学国際交流財団理事長なども兼任する.
パネリスト:高橋 尚子 (国学院大学 教授)
【略歴】大学在学中に女子大初のマイコンクラブを結成. 卒業後, 女性SE第一期生として富士通入社, 業務システムの移行や標準化に携わる. その後ASCIIでビジネスパソコンスクール開校, OAインストラクタを経て, ライティング業のナウハウスとして独立. 1995年から大学で非常勤講師を始め, 2007年から國學院大學経済学部で情報教育に就き, 2016年から全学の一般情報教育をマネジメントしている.情報処理学会 情報教育担当理事,一般情報教育委員会副委員長,情報入試委員会委員,などを務める.