デザイン思考は意匠にとどまらず、サービス、組織開発、社会課題の解決まで幅広い領域において「デザイナーのように」思考することで創造的に問題を解決しようとする考え方である。しかし、ノンデザイナー（エンジニアあるいはビジネスパーソン）が一朝一夕にデザイナーと同じように発想し、研ぎ澄まされた答えを出すことは容易ではない。本稿では、創造性は他者とのあいだで異なる発想や考えを交わすなかで発揮され得ると考え、ノンデザイナーが技術起点とは違う視点で共創したり、本質的な価値に着目して新規事業に取り組むとき、デザイン思考を効果的に活用できるようにワークショップの設計・実行において注目すべき観点を導出する。