情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス

7F-01
消費者の新製品採用への事例ベース意思決定理論の適用
○郷香野子(跡見学園女子大)
マーケティングの領域では,消費者は製品の属性の評価に基づいて製品の採用を決定することが考えられてきた。一方で,複雑もしくは革新的な製品の採用を説明する場合には,製品の属性をあげられないことや評価できないこともある。このような不確実な状況での評価方法としてGilboa and Schmeidler (1995, 2001)は,「事例ベース意思決定理論 Case-Based Decision Theory(CBDT)」を提唱した。この理論は過去の類似した経験に基づいて決定するというものであり,コンピュータサイエンスの領域で発展してきた事例ベース推論の手法を意思決定理論として説明したものである。本研究では,消費者の実験室実験を用いて,この理論を用いることで発売前の製品を評価するような不確実性な状況での意思決定を説明できるかを試みた。とりわけ,人が過去の経験から何に基づいてどのような事例を参照するのかに注目をして,心理学や消費者行動研究の領域からの知見に基づきながら検討した。