津波や洪水等の災害発生時には，道路の寸断等により避難の遅れが生じる可能性がある．避難者に対して，道路の通行可否等の避難経路情報を提供することは避難時間の短縮につながると考えられる．しかしながら，災害時には平時の通信インフラが利用不可能になることが考えられる．本稿では，伝送速度や通信可能距離が異なる異種無線リンクを含むDTNを想定し，これを介した避難経路情報提供による避難時間の短縮について検討する．また，セルラオートマトンに基づく避難行動モデルを用いたシミュレーションによりその効果を評価する．