近年、65歳以上の高齢認知症患者の割合が増加し、徘徊による転倒や交通事故が多く報告されている。特に、夜間は事故の危険性が一層高まる。このため、夜間における人物の行動パターンを観察し、高齢認知症患者特有の行動を検知することは、不慮の事故防止に寄与すると考える。従来研究に、可視カメラを用いた人物抽出法に関する検討があるが、夜間において人物の認識精度が低下するという課題がある。そこで本研究では、夜間の物体認識性能に優れた赤外線サーモグラフィカメラを用いた人物抽出法に関する検討を行う。本稿では、熱赤外画像を対象とし、HoG特徴量およびSVMを用いたロバスト性の高い人物抽出法に関して検討を行う。