著者らは，要求仕様書の自動要約結果を用いて初級技術者が情報システムの要求仕様書の内容理解を効率化することを研究してきた．要求仕様書の要約の一手法として，自然言語処理技術による抽出型の自動要約技術に着目した．抽出型の自動要約技術を実際の要求仕様書に適用した．生成した要約文の妥当性は，読み手である技術者の先入観があると「間違った」要約と判断され理解支援に直接貢献しないリスクがあるが，先入観と結果とのギャップを自覚することで提示された要求仕様書の背景情報の理解に役立つと考えられる．本稿では，そのようなギャップを活用した初級技術者の要求仕様書の早期理解支援について考察する．