博物館や美術館などにおいて、観覧者がどの展示物に注目しているかを定量的に評価することは、展示物のテーマや展示レイアウトの修正など改善につながる重要なデータである。このようなデータをアンケート評価などに頼らず、観覧者の閲覧状況を自動的に調査するシステムが容易に設置可能であれば、その利用は広がると考えられる。
本研究では、Webカメラを用いた画像処理によるヘッド・トラッキング技術を活用して、観覧者の頭部姿勢から視線情報を推測し、展示物に対する注視時間を計測して関心度を調査するシステムを提案する。本稿では、試作システムを構築し、美術館などを想定した実験環境において性能評価を行い、有効性を示す。