人の声は重要な個人情報であり、報道番組などではエフェクトをかけることによって匿名化を行っている。しかし、この手法では、抑揚や、声の強さなど、個人情報になりえるような発話者の特徴が残ってしまう上、声を匿名化しているということが認識できてしまう。その2つの観点から完全な匿名化とは言えない。本研究では、前述の発話者自体の特徴を深層学習を用いて声質変換を行うことにより、発話者の匿名化を目指す。更に、多対多による声質変換で発話者の匿名化を行うことで当システムを利用していること自体を秘匿することを目指す。本稿では様々な特徴の中でも人の発声器官に関する特徴の変換について述べる。