日本において、景気拡大や日本の人口動態の変化などの要因により人手不足は深刻化しており、特に飲食業界にとっては恒常化しつつある重大な問題である。飲食業界の労働市場は、非正規雇用者によって支えられているという点で他産業とは異なる特徴を有しており、現在最も問題を抱えている労働市場の一つである。本研究では非正規雇用者に焦点当て、市場内部の動きを把握するために、エージェントベースモデルによりジョブマッチングの仕組みをモデル化した。本分析では、はじめに構築したモデルを通じ、求人充足率と就労率の推移を確認した。分析を通じて、非正規雇用者の性質の違いによる行動特性を明らかにし、労働者側と企業側の戦略の提案を試みる。