デザイン思考によるモノづくりでは，アイデア抽出の後，プロトタイプ作成により，アイデアの検証と改善を素早く反復することが推奨されている．著者らは，Customer Journey Map によるユーザ中心のアイデア創出の後，プロトタイピングによりアイデア検証と改善を繰り返す一連の実験を行った．プロトタイピングでは，クラウド操作によるIoT開発を可能にするIoT開発ボードであるobnizを利用した．本プロトタイピングの導入により，具体的なアイデアが抽出されやすくなること，技術的な制約がアイデアの改善を妨げること等がわかった．本稿では，デザイン思考によりIoTソリューションの要求獲得を行う場合，Customer Journey Mapとobnizを用いたプロトタイピングの有効性について議論する．