近年，我が国では，国民人口における高齢化率の急上昇に伴い，車椅子ユーザが増加傾向にある．福祉政策により新しい施設のバリアフリー化は進むものの，身近な環境には既存の物理的バリアとして変動的なバリアが多く存在する．デプスカメラで物理的バリアを検証しARで可視化する既往研究では限られた解像度と視野角により実空間との対応が捉え難いため，本研究では，デプス情報と広角・高解像度のカラー情報を射影変換により対応をとることにより，3次元で検証したバリアを明瞭に2次元ARで表示する．また，デプス情報をもとに実物体と仮想物体相互のオクルージョンをARで表現し，空間的に正確なバリア表示を実現し，視認性を高めた．