近年，工場等での作業に必要な情報を作業者に提示する方法として，拡張現実(AR)技術が注目されている．中でも，プロジェクタにより情報を対象へ直接投影する投影型AR技術は，複数の利用者間での情報共有が容易である等の利点を持つ．しかし，プロジェクタから投影された映像は，投影箇所の状態により色調が変化するため，映像中の情報の視認性が十分に確保できない場合がある．本研究ではカメラ映像から推定された投影箇所の状態を考慮して，プロジェクタが投影する映像の色調を，原画像の色に近づけるのではなく，映像中の情報の視認性が高くなるように調整する手法について検討する．