対話システムは，ユーザの状態に適応的な発話をすることが望ましい．本研究では，発話選択に有効なユーザ状態を設計し，推定する．まず，自由度の高い質問の可否判断のための時変な状態として「緊張度」を設計した．次に，システムの自己開示の可否判断のための時不変な状態として「システムの擬人化度」を設計した．これらのうち，十分なデータ数が得られることから，緊張度をアノテートし，機械学習により推定した．推定実験ではマルチモーダル対話データを用い，素性として韻律や顔画像から得られる情報を用いた．具体的には，ユーザが発話するまでの時間や首を傾げた回数など，緊張と関連がある情報を抽出し，素性とした．