情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス 情報処理学会 第82回全国大会 会期:2020年3月5日~7日 会場:金沢工業大学 扇が丘キャンパス

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電波を用いた位相制御協調電力伝送における位相最適化技術の初期的評価
○林健太朗,濱政 光,川崎慈英,木崎一廣(阪大),田中勇気(パナソニック),藤橋卓也,猿渡俊介,渡辺 尚(阪大)
あらゆるモノがネットワークに接続される世界の実現に向けた課題の 1 つに,センサ端末への電力供給が挙げられる.電池式のセンサ端末の場 合,定期的な交換の必要性やデザイン性で好ましくない.環境発電を行 うセンサ端末の場合,供給電力が天候や時間帯に左右されてしまう.電 池式のセンサ端末や環境発電を行うセンサ端末の抱える問題を解決する 電力供給手法として,電波電力伝送がある.電波電力伝送は,センサネッ トワークにおける電力供給方式としても有効である.しかしながら,既 存の電波電力伝送手法には,センサ端末への給電効率が悪いという課題 がある. 位相制御協調電力伝送 [1] は,センサ端末から受信電波強度 (RSSI: Received Signal Strength Indication) のフィードバックを利用して, センサ端末上で供給電力が最大化するように,アクセスポイントが放射 する電波の位相を制御する手法である.文献 [1] では,位相制御協調電力 伝送は,給電効率を改善することを示している.位相制御協調電力伝送 の問題は,適切な位相制御量を決定するのに必要な RSSI フィードバッ ク回数が多いため,計算時間が大きいことである. 本稿では,要する計算時間を削減する手法として,中点山登り法を提 案する.提案手法の効果を実証するため計算機シミュレーションを行っ た結果,アクセスポイント 8 台,センサ端末 1 台というケースにおいて は,従来手法と比較して約 10 倍の速度で最適位相の決定を行えること が分かった.