親等数計算に関する先行研究では尊属（父母，祖父母，…）を世代毎に統合してシンプルに解く方法が見られる．しかし，計算対象が変わる度に尊属の統合範囲が変わるため，グラフ構造の再定義が必要であり，複雑な系図になればなるほど煩雑を極める．また，系図情報格納形式のデファクトスタンダードであるGEDCOMは個性データ列と家族データ列の2系列に分離されたデータ構造であり，親子間の世代をたどるには余分な家族ノードを介して探索しなければならず，シンプルに解くのは困難である．これらの問題を解決するため，本研究では著者らが既に提案した「父→母→子」モデルを用いて親等数計算を行うための手法を新たに提案し，その有効性を検証した．