近年，屋内における位置推定手法として測域センサを用いる方法が注目されている．本稿では，測域センサによって得られた測距情報，姿勢センサを用いた姿勢推定，および建物の構造情報を整合させた屋内位置推定手法を提案する．本提案手法では，加速度，ジャイロからなる姿勢センサと測域センサを合わせた端末を歩行者の腕部に装着することを想定する．このとき，端末の姿勢推定を行うと同時に，周囲の反射面との距離を計測する．そして，事前の測位によって得られた構造情報に基づき，二乗和誤差が最小となる地点を推定位置として決定する．本稿では，実験によって得られた計測データを基に，提案手法の位置推定精度の評価を行う．