ITシステム・サービスに関する業務委託において，情報セキュリティに係る責任範囲が明確にされないままシステム構築等が進められることがあり，責任範囲を明確にするために有効な施策の一つとして「契約書雛形の見直し」があげられる．2020年4月に施行される民法は，契約に関連した改正がされており，自社の契約書雛形や契約内容の見直しの機会と考えられる．このような背景を踏まえて，2019年8月、2020年1月に民法改正への対応状況について，企業や組織で契約推進，契約実務等の役割を担う人を対象に調査を行った．本研究では，契約書雛形の見直しの課題について問題提起するとともに，実際の対応の進み度合い，実施体制等の分析を行った．