これまで筆者らは浮流型無線通信端末により下水管内を撮影し映像をマンホールに取り付けたアクセスポイント(AP)から地上へ伝送する下水管調査システムを提案している．狭い下水管内では，通信可能距離が制限される．同システムの実現のためには通信可能距離を把握しておくことが必要である．これまで単一アンテナのIEEE 802.11nドングルを取り付けたRaspberryPi間の鉄筋コンクリート製下水管内での5GHz帯通信可能距離の測定を行っているが，複数アンテナのAPを用いた無線通信の実測実験は行われていなかった．本稿では，埋設された管径250mmの鉄筋コンクリート製模擬下水管内のRaspberryPiと複数アンテナのAP間における2.4GHz帯の無線通信のスループット測定実験について報告する．