情報処理学会 第81回全国大会 会期:2019年3月14日~16日 会場:福岡大学 七隈キャンパス 情報処理学会 第81回全国大会 会期:2019年3月14日~16日 会場:福岡大学 七隈キャンパス
福岡大学の公開用NTPサービスから考える,インターネットサービスの歴史と未来
日時:3月14日(木)12:30-15:00
会場:第3イベント会場(A棟 A202)
【セッション概要】歴史的観点から見て,福岡大学はインターネットの発展において重要な役割を担ってきた.インターネット老人会の諸氏であれば,1993年から運用されている日本初の公開NTPサーバのことはご存じのことかと思われる.近年このNTPサーバへのリクエストが増加していることやその問題についてはニュースサイトやネットワーク運用管理者の会議でもよく知られるようになってきた.この企画では,福岡大学の公開NTPサーバを管理されている藤村先生に歴史的経緯,そしてこれからについて講演して頂き,NTPに限らずサービスを持続することの困難さや課題について議論を行う.
司会:柏崎 礼生 (大阪大学)
【略歴】2001年 北海道大学 退学.2005年 北海道大学 退学.2009年 北海道大学 退職.2012年 東京藝術大学 退職.2014年 博士(情報科学).現在,大阪大学 講師.
12:30-13:30 基調講演 福岡大学公開NTPサービスの歴史と未来
藤村 丞 (福岡大学 情報基盤センター)
【講演概要】福岡大学では1993年(平成5年)10月より,全世界に向けて日本初のGPSを用いたNTPサービスを開始し,25年が経過した現在もこのサービスの提供を行っている.だが,この25年の間でトラフィック量が増加の一途をたどっており,2013年(平成25年)頃からこの公開用NTPサービスのトラフィックに起因したネットワーク障害が発生し,インターネット接続が行えなくなることが起きてきた.本発表では公開用NTPサービスの概要,構成,障害事例,各種分析などにより,今後のインターネットサービスのあり方を議論していく.
【略歴】1998年 福岡大学理学研究科応用数学専攻博士課程前期修了.1999年 長崎大学経済学部.2003年 福岡大学総合情報処理センター(現情報基盤センター).キャンパスネットワーク,ネットワークセキュリティ,PC教室,認証基盤など学内の情報化に従事.2015年より公開NTPサービス運用担当.
 
13:30-15:00 パネル討論 歴史から鑑みるインターネットサービスの持続性
【討論概要】どのような情報サービスであれ,運用品質が低ければユーザは次第に利用しなくなる.それなりの運用品質を提供したがために,あるいはユニークなサービスであったがために多くのユーザを獲得し,やがてそれは想定外の需要まで発掘してしまうことがある.サービス運用は内燃機関のようなもので,利益なり熱意なり,くべられる薪がなければ動作は止まる.安全に停止させることが出来れば良いが,ユーザの需要という非線形の振る舞いを制御することが容易であるとは限らない.善意や悪意について論じるのは興醒めだが,せめて運用担当者の心の安寧を願える幕の下ろし方や設計というものがあるのではないかと考える.本パネルでは渦中の運用担当者,技術者をお招きして本件について議論する.
パネル司会:柏崎 礼生 (大阪大学)
【略歴】2001年 北海道大学 退学.2005年 北海道大学 退学.2009年 北海道大学 退職.2012年 東京藝術大学 退職.2014年 博士(情報科学).現在,大阪大学 講師.
パネリスト:藤村 丞 (福岡大学 情報基盤センター)
【略歴】1998年 福岡大学理学研究科応用数学専攻博士課程前期修了.1999年 長崎大学経済学部.2003年 福岡大学総合情報処理センター(現情報基盤センター).キャンパスネットワーク,ネットワークセキュリティ,PC教室,認証基盤など学内の情報化に従事.2015年より公開NTPサービス運用担当.
パネリスト:谷崎 文義 (西日本電信電話株式会社 ビジネス営業本部 アドバンストソリューション営業部 文教担当 主査)
【略歴】1986年,日本電信電話(株)に入社, 2002年よりNTTスマートコネクト(株)にてデータセンタネットワークや映像配信サービスの運用に従事.IPv6普及・高度化推進協議会で,「IPv4サーバ環境へのIPv6導入ガイドライン」「IPv6 移行ガイドライン データセンター,IX 編」の執筆に参加,現在,西日本電信電話(株)に勤務.日本オープンポリシーフォーラム運営チーム(JPOPF-ST)メンバ.