情報処理学会 第81回全国大会 会期:2019年3月14日~16日 会場:福岡大学 七隈キャンパス 情報処理学会 第81回全国大会 会期:2019年3月14日~16日 会場:福岡大学 七隈キャンパス
ブロックチェーンによるイノベーションの展望と課題 〜 デジタルプラクティスライブ
日時:3月16日(土)13:20-15:20
会場:第2イベント会場(A棟 AB02)
【セッション概要】デジタルプラクティスは,情報処理学会のIT技術者向け論文誌である.情報処理学会の全国大会及びFITにおいて最近の特集テーマから関心の高いものを選びデジタルプラクティスライブとして,講演及びパネル討論を通してテーマに関する議論の深堀を行っている.今回は,2019年7月刊行予定のブロックチェーン・フィンテック特集号の著者に参加いただき,特に産業界におけるブロックチェーンを活用したイノベーションのための取り組みや,今後の展望,課題などについてのパネル討論を実施する.
司会:吉濱 佐知子 (日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 FSS&ブロックチェーン・ソリューション 部長)
【略歴】2001年より米IBMのワトソン研究所で勤務.2003年に日本IBM東京基礎研究所に入社し情報セキュリティ関連の研究に携わる.2012年上海IBM Global Labsにて新興国向け研究戦略担当.現在はブロックチェーン技術を活用したインダストリー・ソリューションやツール,フィンテック技術の研究開発を担当.ACM会員,情報処理学会シニア会員.2010年横浜国立大学環境情報学府より博士(情報学).
13:20-13:25 挨拶・概要説明
13:25-13:45 講演(1) 証券業界におけるブロックチェーンの活用に向けた取組み状況
近藤 真史 (株式会社日本取引所グループ 総合企画部 フィンテック推進室 調査役)
【講演概要】新たなサービスの創出や業務の効率性向上に向けてブロックチェーンには引き続き期待が寄せられているが,その技術的特性を活かした実用化に向けては,異なる事業者間におけるコラボレーションの機運を醸成することがカギとなる.証券業界における,証券会社,資産運用会社,ITベンダー及び取引所等を巻き込んだ業界横断的な検討事例について紹介する.
【略歴】慶應義塾大学理工学研究科を2008年に修了後(修士),(株)東京証券取引所グループ(現(株)日本取引所グループ)に入社.IT開発部において高速売買システムarrowheadの開発等を担当したのち,2015年より総合企画部フィンテック推進室にて,証券市場におけるブロックチェーン及び人工知能の活用検討に従事.証券市場に対するブロックチェーン適用時の課題等について,ワーキングペーパーの執筆や国内外で講演等を実施.
 
13:45-14:05 講演(2) 分散型台帳技術の応用に向けて:中央銀行の決済システムからみた特徴と課題
小早川 周司 (明治大学 政治経済学部 専任准教授)
【講演概要】分散型台帳技術を巡っては,各国の中央銀行が管理・運営する決済システムへの応用可能性について調査・分析が進められている.日本銀行でも欧州中央銀行と協力しながら,この技術に関する共同調査を進めており,2017年9月と2018年3月に報告書を公表した.講演では,これらの報告書の主なポイントを紹介すると共に,決済・金融インフラの安全性と効率性の向上に向けた課題を整理する.
【略歴】一橋大学経済学部,英オクスフォード大学大学院経済学博士課程修了(D.Phil),日本銀行調査統計局経済統計課長,企画局参事役,決済機構局参事役等を経て,2018年4月より現職.日本銀行在職中は,国際決済銀行の決済・市場インフラ委員会傘下の各種部会メンバーとして,中央銀行デジタル通貨や分散型台帳技術に関する報告書の執筆等を担当.
 
14:05-14:25 講演(3) 貿易実務におけるブロックチェーン利用の実践と課題
金子 雄介 (三井住友フィナンシャルグループ ITイノベーション推進部 部長代理)
【講演概要】貿易実務は,権利関係を記録した文書の授受が重要な要素を占めているが,書面管理の煩雑さや情報の追跡の難しさといった問題を抱えている.これらの問題について,ブロックチェーンが具備する改ざん耐性やトレーサビリティといった特性を用いることで解決できる可能性がある.ブロックチェーン技術の貿易実務への適用可能性については,国内外において多くの実証実験が進められている.講演者が所属する企業においても,貿易実務に携わる国内企業らと共同で実証実験を行った.本講演では,この実験で得られた知見と課題について報告する.また,SMBCグループにおけるブロックチェーンに関する取組みについても紹介する.
【略歴】2005年(株)日本総合研究所入社.2007年より新技術のR&Dおよび導入に従事.2011年より三井住友フィナンシャルグループを兼務.2015年より現職.ブロックチェーン等の技術を用いた金融サービスの企画および開発に従事.(公財)金融情報システムセンター(FISC)「金融機関におけるブロックチェーンに関するワーキンググループ」委員を歴任.
 
14:25-14:45 講演(4) ブロックチェーン基盤ソフトウェアの性能検証結果について
尾根田 倫太郎 (三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 ITプロデュース部 調査役)
【講演概要】ブロックチェーンにおいてよく課題とされる性能について,実際にブロックチェーン基盤クラスターを構築し性能を検証した.性能検証は複数のブロックチェーン基盤ソフトウェアについてほぼ同一条件で計測を行い,横串で比較した.その検証環境の構成や検証条件,検証結果,得られた知見等について説明する.
【略歴】2011年〜 MUFG向けの行内クラウド基盤の設計・開発に従事.2016年〜 社内の研究開発部門(ITプロデュース部)にて,ブロックチェーンやビッグデータ技術に関する研究開発を担当.
 
14:45-15:20 パネル討論 ブロックチェーンによるイノベーションの展望と課題 〜 デジタルプラクティスライブ
【討論概要】デジタルプラクティスは,情報処理学会のIT技術者向け論文誌である.情報処理学会の全国大会及びFITにおいて最近の特集テーマから関心の高いものを選びデジタルプラクティスライブとして,講演及びパネル討論を通してテーマに関する議論の深堀を行っている.今回は,2019年7月刊行予定のブロックチェーン・フィンテック特集号の著者に参加いただき,特に産業界におけるブロックチェーンを活用したイノベーションのための取り組みや,今後の展望,課題などについてのパネル討論を実施する.
モデレータ:吉濱 佐知子 (日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 FSS&ブロックチェーン・ソリューション 部長)
【略歴】2001年より米IBMのワトソン研究所で勤務.2003年に日本IBM東京基礎研究所に入社し情報セキュリティ関連の研究に携わる.2012年上海IBM Global Labsにて新興国向け研究戦略担当.現在はブロックチェーン技術を活用したインダストリー・ソリューションやツール,フィンテック技術の研究開発を担当.ACM会員,情報処理学会シニア会員.2010年横浜国立大学環境情報学府より博士(情報学).
パネリスト:近藤 真史 (株式会社日本取引所グループ 総合企画部 フィンテック推進室 調査役)
【略歴】慶應義塾大学理工学研究科を2008年に修了後(修士),(株)東京証券取引所グループ(現(株)日本取引所グループ)に入社.IT開発部において高速売買システムarrowheadの開発等を担当したのち,2015年より総合企画部フィンテック推進室にて,証券市場におけるブロックチェーン及び人工知能の活用検討に従事.証券市場に対するブロックチェーン適用時の課題等について,ワーキングペーパーの執筆や国内外で講演等を実施.
パネリスト:小早川 周司 (明治大学 政治経済学部 専任准教授)
【略歴】一橋大学経済学部,英オクスフォード大学大学院経済学博士課程修了(D.Phil),日本銀行調査統計局経済統計課長,企画局参事役,決済機構局参事役等を経て,2018年4月より現職.日本銀行在職中は,国際決済銀行の決済・市場インフラ委員会傘下の各種部会メンバーとして,中央銀行デジタル通貨や分散型台帳技術に関する報告書の執筆等を担当.
パネリスト:金子 雄介 (三井住友フィナンシャルグループ ITイノベーション推進部 部長代理)
【略歴】2005年(株)日本総合研究所入社.2007年より新技術のR&Dおよび導入に従事.2011年より三井住友フィナンシャルグループを兼務.2015年より現職.ブロックチェーン等の技術を用いた金融サービスの企画および開発に従事.(公財)金融情報システムセンター(FISC)「金融機関におけるブロックチェーンに関するワーキンググループ」委員を歴任.
パネリスト:尾根田 倫太郎 (三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 ITプロデュース部 調査役)
【略歴】2011年〜 MUFG向けの行内クラウド基盤の設計・開発に従事.2016年〜 社内の研究開発部門(ITプロデュース部)にて,ブロックチェーンやビッグデータ技術に関する研究開発を担当.