情報処理学会 第81回全国大会講演要旨

近年，国内農業従事者の人口低下に伴い，熟練農家の持つ栽培技術の喪失が問
題になっている．そこで，熟練農家の経験と勘に頼らない自動灌水制御システム
の研究が行われている．しかし，従来のシステムにおける，灌水のタイミングを
決める閾値（灌水判断閾値）は，熟練農家が設定する必要がある．更に，灌水判
断閾値の設定は植物の状態に応じて行う必要があり，十分に経験と勘が培われて
いない新規就農者には困難である．そこで本研究では，植物状態に自律順応する
灌水判断閾値決定手法を提案する．提案手法を用いることで，熟練農家の経験と
勘による灌水判断閾値の設定が必要ない，高度な栽培が実現できる．