情報処理学会 第81回全国大会講演要旨

皮膚がんは一般的な癌の一種であり、特に予後不良なメラノーマは早期発見が必要不可欠である。近年、深層学習手法を皮膚画像解析に利用した高精度の自動診断支援手法が提案されてきているが、大量の訓練データが必要であり、また体毛や影、コントラスト不良など様々な悪条件の画像には大幅に精度が低下する。本研究では、こうした悪条件画像においても安定的に識別ができることを目的に、患部付近の体毛がシステムの診断の妨げとなる点に着目し、体毛の有無に頑健となるよう学習を行うbody hair augmentationを提案する。深層学習技術に基づく複数種の識別器に対して提案手法を適用することで効果を確認した。