2ZH-02
文化財維持管理のための3次元計測を介した経時変化の定量的観測システム
○森 直紀(関西大),アルマハーリ サルマン(バーレーン文化・文化財局),肥後時尚(関西大),末森 薫(国立民族学博物館),吹田 浩,安室喜弘(関西大)
近年,天災や人災による文化財の損傷や消失が散見され,文化財の維持管理の必要性が高まっている.現存する文化財においても,過去の記録を有効に活用し,現状の維持管理に役立てる必要がある.本研究では,古い写真記録に現状を重ね合わせ,その変化を定量的に把握する作業を可能とするシステムを提案する.実測で得た現状の3Dモデルに過去の記録写真の撮影視点を推定して合わせ,記録写真の特徴的な輪郭を重畳する.これにより,数少ない古い写真記録の情報を活用し,実寸を反映した観察が可能となり,物理的には不可能な過去と現在との変化を定量的に確認できる.本稿では,本手法をバーレーンの遺跡に適用して有効性を検証した結果を示す.

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