情報処理学会 第81回全国大会講演要旨

技術文書などの解析において、並列構造を処理する仕組みは不可欠である。本稿では、日本語文の単一化文法を用いた構文解析における並列構造の処理について報告する。ここで対象としている並列構造は、主語や述部を共有する重文(述語並列、部分並列)である。日本語単一化文法の書き換え規則はチョムスキー標準形であることから、構文解析はCYKアルゴリズムで行う。本稿では、CYKアルゴリズムの枠組みで並列構造の処理を行う方法について述べる。本稿で提案する並列構造の処理では、従来の文節間の係り受け構造に基づいた並列構造の処理で扱う事ができなかった助詞を共有する並列構造の解析が可能になる。