情報処理学会 第80回全国大会 会期:2018年3月13日~15日 会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 情報処理学会 第80回全国大会 会期:2018年3月13日~15日 会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス
2017年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
日時:3月13日(火)9:30-12:00
会場:第5イベント会場(56号館 102)
【セッション概要】78回大会より毎年開催している一年間のサイバー問題を振り返る企画.2017年度の上半期だけでも,ランサムウェア「WannaCry」の大規模感染や,ビットコインの分裂に代表される仮想通貨の氾濫,サイバーテロが疑われるコンピュータ事故など多くのサイバー事件があった.また世界各国で行われた国政選挙においてSNS等のネットツールが大きな影響を与えることが再認識され,「デジタル・ゲリマンダー」という言葉も話題になった.情報技術と,知的財産・社会基盤整備といった法制との関係は,ますます重要な論点になっている.本パネル討論ではそうした法と技術の問題を扱い今年で設立20年になるEIP研究会より,技術者の立場と,サイバー法や情報政策を研究する社会科学の研究者のそれぞれの立場から対策や技術の健全な発展手法について意見を述べ合うものである.
9:30-12:00 パネル討論 2017年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
【討論概要】2018年3月までに起きた,サイバー空間やITに関する様々な事件,問題,法律改正などについて多様な専門家からそれぞれの立場で意見を述べてもらう.
・ランサムウェア「WannaCry」の流行に代表されるコンピュータウィルス問題.
・後を絶たない個人情報漏洩事件やネットワークへの侵入,その手段として使われる標的型攻撃を始めとする様々なサイバー攻撃,ダークウェブ問題.
・個人情報保護法改正の影響.
・リーチサイトによる著作権侵害等の知的財産保護.
・フェイクニュースやデジタルゲリマンダーといった情報の氾濫
・AIと法律の関係
・2020年に控えたオリンピックを見越したサイバーインフラ防御のありかた.
・その他,情報処理学会に関連する分野の様々な事件や裁判例.
等々を扱う予定.
パネル司会:須川 賢洋 (新潟大学 法学部 助教)
【略歴】新潟大学大学院法学研究科修了.修士(法学).専門はサイバー法で,コンピュータ犯罪,デジタル知的財産,情報セキュリティ制度,デジタル・フォレンジックなど,先端技術と法律の関係を中心に研究.共著に「ITセキュリティカフェ—見習いコンサルの事件簿」(丸善),「実践的eディスカバリ—米国民事訴訟に備える」(NTT出版),「デジタル・フォレンジック事典」(日科技連)など.
パネリスト:金子 格 (東京工芸大学 准教授)
【略歴】1980早稲田大学卒.2004博士(情報科学).(株)アスキーにてパソコンシステムソフトウエア,システムLSI,ASIC,ゲーム機ソフトウエアの開発に従事.その後グラフィックスコミュニケーションラボラトリーズでMPEG標準化の策定等に従事.SC 29/WG11 オーディオ小委員会幹事,SC29/WG11システム小委員会主査等を歴任.2004年より東京工芸大学准教授.
パネリスト:原田 要之助 (情報セキュリティ大学院大学 教授)
【略歴】1954年京都生まれ.1979年京都大学大学院工学部数理工学専攻修了.電信電話公社(現NTT)の研究所で通信ネットワークの監視,制御システムを開発.1999年から情報通信総合研究所にてセキュリティコンサルやセキュリティ監査に従事.大阪大学工学部大学院工学研究科の特任教授を経て2010年より現職.2000年から2009年までOPCW(化学兵器禁止機関)の情報セキュリティ監査のチームリーダを務める.経産省のIT関連の委員会の委員,2008年から2010年までISACA(情報システムコントロール協会)国際本部副会長,セキュリティマネジメント学会常任理事,日本ITガバナンス協会理事なども歴任.2016年より日本セキュリティマネジメント学会会長.
パネリスト:板倉 陽一郎 (ひかり総合法律事務所 弁護士)
【略歴】2002年慶應義塾大学総合政策学部卒,2004年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了,2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了.2008年弁護士(ひかり総合法律事務所).2016年4月よりパートナー弁護士.2010年4月より2012年12月まで消費者庁に出向(消費者制度課個人情報保護推進室(現・個人情報保護委員会事務局)政策企画専門官).2017年4月より国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター社会における人工知能研究グループ客員主管研究員.情報ネットワーク法学会前理事,法とコンピュータ学会理事,情報処理学会電子化知的財産・社会基盤研究会幹事,総務省・AIネットワーク社会推進会議環境整備分科会及び影響評価分科会構成員,IoT推進コンソーシアム・データ流通促進WG及びカメラ画像利活用SWG委員等を現任.主な取扱分野はデータ保護法,IT関連法,知的財産権法等.
パネリスト:加藤 尚徳 (KDDI総合研究所 FD1-3 アソシエイト)
【略歴】(株)KDDI総合研究所 フューチャーデザイン1部門3グループ アソシエイト1986年生まれ.(株)KDDI総研を経て,2016年より現職.専門は「情報法」.情報法制(プライバシー・個人情報・知財等)を中心とした法制度や技術の調査・研究・コンサル業務に従事.また,大学の非常勤講師として,情報法,知的財産法,情報セキュリティに関する講義を担当.神奈川大学経営学部および神奈川工科大学情報学部非常勤講師,慶應義塾大学SFC研究所上席所員.新潟大学法学部卒業,総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻単位取得満期退学,修士(情報学).
パネリスト:折田 明子 (関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科)
【略歴】2007年慶應義塾大学にて博士(政策・メディア)取得.中央大学ビジネススクール助教,慶應義塾大学特任講師,米国ケネソー州立大学Visiting Assistant Professor,関東学院大学人間環境学部専任講師を経て現職.インターネット利用における匿名性,プライバシー,若年層に対するリテラシー教育に関する研究に従事.