7F-04
環境との相互作用の下での DNA 配列の集団の進化のモデルとその種分化の分析への応用
○小谷野仁(東工大)
この研究において, 我々は, 我々の以前の研究において展開した, 4 つの文字 a, c, g 及び t からなるアルファベット A 上の文字列の全体がなす非可換位相半群 A* 上の確率論の枠組みを用いて, 周囲の環境と相互作用しながら時間発展していく DNA 配列の集団の進化のモデルを構築する. DNA 配列の集団の進化を記述する偏微分方程式が A* 上の拡散方程式の一種として導出される. モデルの数理解析を行って, 集団が分化して新しい種が作られるための条件や, 集団が平衡状態を維持し長期間に渡って変化しないでいるための条件が示される. また, 構築したモデルに基づいて, DNA 配列の集団とその周囲の環境の両方が相互作用により時間と共に変化する過程を数値的な仕方で解析し, ある条件の下で実際に集団が分化していくことを示す.

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