情報処理学会 第80回全国大会講演要旨

本稿は,ピアノ演奏指導支援に必要な機能の学習者読譜時視行動データを活用した学習者情報表示機能のプロトタイプ開発を行う.ここでは,学習者情報を読譜時視行動と定める.読譜時視行動は,注視点と注視時間を用いて,条件を満たす注視点間距離/時間で構成される停留領域で表現する.停留領域は,学習者の演奏熟達度との関係を示すことが可能である.停留領域は学習者の情報獲得範囲を示しているため,学習者が楽譜のどこから情報を得ているか,一度にどのぐらいの範囲からどの程度時間をかけて情報を得ることができるか,といった情報が含まれている.プロトタイプでは,蓄積された学習記録から検索された楽曲に対し,情報獲得範囲を比較可能な形で可視化する.