情報処理学会 第80回全国大会講演要旨

Delay Tolerant Network (DTN)は固定の通信インフラを用いずにモバイル端末同
士の相互通信によりメッセージ転送を実現するネットワーク通信手法である。
DTNでよく使用されている確率的メッセージ手法では、転送するメッセージの選択
や冗長な複製メッセージが引き起こすモバイル端末のバッファオーバフローなど
が、十分考慮されていない。これにより、送信元から宛先へメッセージが到達す
る可能性を著しく低下する。本研究では、人がモバイル端末を携帯する状況を想
定し、DTN全体を社会ネットワークと捉える。その上で、人が人と接触する機会を
contactと定義し、そのcontactにより得られる2つの特徴量、コミュニティ
(Community)と中心性(Centrality)を用いたルーティングアルゴリズムを提案する。また、既存のルーティングアルゴリズムと性能を比較することで、提案手法の優位性を示す。