5Q-07
音声から知覚する疲労度に対応する音響特徴量の策定 -演技による表現と主観評価結果の対応付け-
○生野琢郎,森勢将雅(山梨大)
疲労が音声信号に及ぼす影響を調査する為に,男女各5名による,疲労状態を演技した発話と,通常状態を模した発話を収録した.また,表現と知覚の間の差異を検証する為に,収録音声に対してMOS評価を用いた疲労度の主観評価実験を実施した.実験の結果,疲労演技を行った音声は,通常発話よりも知覚される疲労度が高いという傾向が確認された.また,音声に含まれる音響特徴量との相関分析を行った結果,疲労度の評価スコアと相関傾向がみられたのは,ピッチ,スペクトル重心,抑揚,非周期性指標であった.一連の実験や解析の結果から,平坦,かつ,低く暗い声や,かすれた声は“疲れている”と知覚される可能性が示唆された.

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