情報処理学会 第78回全国大会講演要旨

近年，株式市場や外国為替市場のような実市場の解析がなされるようになった．しかし，従来の経済学で用いられる効率的市場仮説では十分に説明することのできない暴騰，暴落などの現象が多数報告されている．このような現象が発生する要因の1つとして投資家の心理的な要因に基づく投資判断が影響していると考えられている．ところが，心理的要因に基づく投資判断が株価変動に与える影響についてなされた研究は幾つかあるが投資家心理や投資判断を十分に表現できているとは言い難い．そこで，本研究では人工市場を用いて投資家の収益性に基づく意思決定が株価変動に与える影響について分析し，報告する．