情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス 情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス
企業情報システムにおける発注者の育成に向けて:学会への期待
日時:3月12日(水)14:30-17:00
会場:第3イベント会場 (2号館 5F 2503)
【セッション概要】2011年の全国大会において、「発注者教育はどうあるべきか:発注者責任はどのように担保されるか」という題目でシンポジウムを開催した。ここでは、東京証券取引所の誤発注トラブルを巡る議論を通して、発注者の役割に焦点を当てることで、教育界、産業界、学会の作り手偏重の弊害を浮かび上がらせた。
それから3年を経過したが、情報システムを中長期的に整備していく観点で、発注者が主導権をとろうという動きが出てきた。その目的は何か、悩みは何か、これらに対して、学会および教育界はどのような支援ができるかを議論したい。
司会:酒森 潔 (産業技術大学院大学 情報アーキテクチャ専攻 教授)
【略歴】産業技術大学大学院情報アーキテクチャ専攻専攻長、教授、技術士(情報工学部門)。日本アイビーエム(株)にて28年間社内外のシステム構築プロジェクトに従事後、現職にてプロジェクトマネジメントを指導。
14:30-15:30 講演 情報システム開発における発注者主導の動き
木内 里美 (株式会社オラン 代表取締役)
【講演概要】システム構築における発注者と受注者のパートナーシップはオープンシステムの時代になってから大きく崩れた。発注者は本来の役割を忘れて丸投げや過度の受注者依存をするようになり、望ましい情報システムの構築が難しくなった。その反省を踏まえて経営のインフラとなった情報システム構築に発注者主導の動きが出ている。一方社会環境や経済環境の変化が激しくなり、経営や事業にスピードが求められるようになり、内製や高速開発の動きも活発になっている。このような最近の動向から発注者、受注者の役割と課題を探る。
【略歴】1969年4月大成建設株式会社入社、本社土木設計部。1979年12月同社本社 土木設計部にて主に海洋設計に従事。1990年7月同社本社 土木設計部システム技術室兼務、部門LANの構築。1995年4月同社本社 土木情報技術部部長、作業所LANの構築。2001年1月同社本社 社長室 情報企画部長、全社のシステム構築。2005年7月同社本社 理事 社長室 情報企画部長兼株式会社大成情報システム 代表取締役社長。2008年6月大成ロテック株式会社 常勤監査役。2012年7月 株式会社オラン設立 代表取締役就任。現在に至る。
 
15:30-17:00 パネル討論 学会は発注者を真の友人にできるか
【討論概要】発注者が情報システム開発において主導権を取るとはどういうことか、そこで要求される役割と能力はいかなるもので、その能力はどのように発揮されるか、しかるに現状はどうか、ゴールに至るにはどのような課題があって、われわれはどのように克服しようとしているのか、学会が果たす役割は何かなど、討論を通して浮き彫りにしたい。
司会: 五十井 薫 (一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会 研修事業 マネージャー)
【略歴】1990年鉄鋼系情報子会社に入社。2003年~現在まで(一社)日本情報システム・ユーザー協会研修担当マネージャー。
パネリスト:木内 里美 (株式会社オラン 代表取締役)
【略歴】1969年4月大成建設株式会社入社、本社土木設計部。1979年12月同社本社 土木設計部にて主に海洋設計に従事。1990年7月同社本社 土木設計部システム技術室兼務、部門LANの構築。1995年4月同社本社 土木情報技術部部長、作業所LANの構築。2001年1月同社本社 社長室 情報企画部長、全社のシステム構築。2005年7月同社本社 理事 社長室 情報企画部長兼株式会社大成情報システム 代表取締役社長。2008年6月大成ロテック株式会社 常勤監査役。2012年7月 株式会社オラン設立 代表取締役就任。現在に至る。
パネリスト:廣瀬 由紀(株式会社山下設計 情報技術室 室長)
【略歴】日本大学工学部建築学科卒業。ゼネコン情報システム部門、同情報システム子会社を経て、1997年より(株)山下設計に勤務。一貫して建築分野の情報システムの開発・運用等を担当。2012年10月より情報戦略室室長。技術士(情報工学部門)。一級建築士。山梨大学非常勤講師。
パネリスト:引地 信寛 (内閣官房 IT総合戦略室 参事官補佐)
【略歴】1986年電気通信大学計算機科学科卒業。国際電信電話株式会社(現KDDI)に入社。電話交換機のデータベース開発やプリペイドカードサービス、情報システムの開発に従事。2000年 Telecomet Inc.(現KDDIアメリカ)に出向し、アプリケーションシステム(ERPやEDIのシステム開発と保守)ビジネス立ち上げに従事。2004年、KDDI情報システム本部に従事しながら、UISS普及啓発WGリーダ(JUAS)、ITSSプロフェッショナル部会APS委員。SEC見積部会委員(IPA)。2010年 システム運用管理部長、2012年 内閣官房情報通信技術総合戦略室。(現職)著「UISSガイドブック—情報システムユーザスキル標準」。
パネリスト:石井 信明 (文教大学 情報学部 教授)
【略歴】東京工業大学大学院博士課程(経営工学専攻)修了。大手エンジニアリング会社にてシステム開発のプロジェクトマネジャーを経て、現在、文教大学情報学部教授。博士(工学)。プロジェクトマネジメント学会理事。情報システム学会理事。
パネリスト:廣瀬 守克 (富士通株式会社 購買本部パートナー総合センター センター長)
【略歴】関西大学工学部卒業。富士通株式会社に入社。超大規模SIプロジェクト(都銀向け第三次オンラインシステム、製造業向け社内システムなど)に従事後、CASEツールの適用推進や開発プロセス標準化推進活動、ナレッジマネジメントシステムの企画・開発・運用・適用推進業務などに従事。現在は、ビジネスパートナー向けのSI品質向上支援、情報セキュリティ支援等を実施中。技術士(総合技術監理部門、情報工学部門、経営工学部門)。

パネリスト:児玉 公信 (情報システム総研 取締役副社長)
【略歴】東京都立大学(心理学専攻)卒業。石油元売り、大学受託研究員、鉄鋼系情報子会社を経て、現在、(株)情報システム総研取締役副社長。技術士(情報工学部門)。博士(情報学)。モデリングとシステム思考に基づく基幹情報システム再構築のコンサルなどに従事。はこだて未来大客員教授ほか。情報処理学会技術士委員会委員長、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員。