オープンサービスイノベーション

第1回:加速するオープン・サービス・イノベーション

 

日  時:
2017年6月7日(水)
会  場:
【本会場】日本大学理工学部駿河台校舎1号館2F121大会議室(東京都千代田区)
【遠隔会場】大阪大学中之島センター7F 講義室702(大阪市北区)
受付開始:
9:30~

ディジタル技術の進展により、企業や社会におけるITの積極活用や新たなサービス開発において、自社以外のリソースを組み合わせ新しいサービスを生み出す「オープン・サービス・イノベーション」が注目を集めています。この新しい取り組みは、従来の企業内開発のようなクローズ型ではなく、多様なステークホルダとサービス提供者が価値共創を行うことに特徴があります。2020年という日本にとっての節目を乗り越え、成長していくには従来の受託型のサービスモデルから共創型のサービスモデルに脱却する必要があります。本セッションでは、昨年発刊され注目を集めたデジタルプラクティス特集号「オープン・サービス・イノベーション」の内容を踏まえ、新たにベンチャーと大企業のコラボレーションにもスポットライトを当てた実践のポイントについて具体的な事例を中心に議論を進めます。

オープニング[10:00~10:10]

柴崎 辰彦様 コーディネータ:柴崎 辰彦(富士通株式会社 グローバルサービスインテグレーション部門デジタルフロント事業本部 本部長代理)
【略歴】富士通株式会社入社後 ネットワーク、マーケティング、SE、コンサル等、さまざまな部門での“社線変更”を経験。数々の新規ビジネスの立上げに従事後、コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」、「Digital Innovation Lab」を立ち上げ、オープン・サービス・イノベーションに挑戦中。サービス学会発起人。日本ナレッジマネジメント学会、情報処理学会、大学等での講演多数。著書「勝負は、お客様が買う前に決める!」(ダイヤモンド社)

セッション1[10:10~11:10]

オープンイノベーションによって生まれる新たな地域連携

オープンイノベーションを実現するには、外部の力を取り込み創造的な成果を生み出すことが必要です。外部の力を取り込むためには、「オープン」なシステムやプロセスの設計を意識的に行う必要があります。アイデアソンやハッカソンといったイベントが流行っていますが、行き当たりばったりに外部に知恵を借りるだけでは、実現性のあるサービスは生まれません。では、どのような部分でオープンなシステムを構築するべきでしょうか。本講演では、福島県浪江町の避難町民向けに提供され、リリース以後高い利用率を保つタブレットアプリケーションの開発プロセスや、Code for Japanが提供し全国各地に広がる越境人材育成プログラム「コーポレートフェローシップ」などの事例を紹介すると共に、オープンイノベーションを生み出すための「3つのオープン」という考え方について解説します。

関 治之様 講師:関 治之(一般社団法人コード・フォー・ジャパン社 代表理事)
【略歴】「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をテーマに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。東日本震災時に情報ボランティア活動を行なったことをきっかけに、住民コミュニティとテクノロジーの力で地域課題を解決することの可能性を感じ、2013年に一般社団法人コード・フォー・ジャパン社を設立。

セッション2[11:20~12:20]

禅的アプローチによるイノベーションの可能性「zenschool」(ゼンスクール)の試み
~ThinkingからFeelingへ、イノベーションのイノベーションを起こす試み~

デザインシンキング、オープンイノベーションなどのプロセス重視のイノベーション手法の限界を超え、人間が本来持っている「感じる」ことをベースにイノベーションを生み出し、さらにクラウドファンディングの活用により資金調達とマーケティングを実践的に行うことで、多くの実績を生み出した「zenschool」(ゼンスクール)の事例から、イノベーションを「Thinking」から「Feeling」へとイノベーションさせる取り組みについてお話をさせていただきます。なお、本取り組みは本年カナダのポジティブ・サイコロジー学会で発表されることになっています。

三木 康司様 講師:三木 康司(株式会社enmono 代表取締役)
【略歴】富士通株式会社を経て慶應義塾大学院後期博士課程単位取得退学、ITベンチャーを役員を経て2009年にenmono社を設立。町工場のイノベーション講座「zenschool」を開催、数々の町工場の自社製開発を支援。自身のリストラを契機に禅を開始、世界のマインドフルネス潮流に、鎌倉から世界に禅を発信する国際カンファレンス「Zen2.0」を企画
http://zen20.jp/

セッション3[13:25~14:25]

エスタブリッシュメントの逆襲~大企業でイノベーションを起こすには~

シリコンバレーに代表される米国のイノベーションを牽引するのは移民の存在。では、日本のイノベーションをリードするのは誰か?異論反論を覚悟で、敢えて言わせて頂く。それは「大企業」。日本の大企業は、イノベーションに欠かせない人材、資金、顧客を抱えていて、事業をスケールするためのブランド、チャネル、ネットワークを持っている。但し、大企業が単体でイノベーションを起こせる時代ではない。大企業の豊富なリソースをスタートアップ・ベンチャー企業に開放し、活用してもらうことで、大企業、スタートアップ・ベンチャー企業、そして世の中の三方良しを実現するのが日本のイノベーション。では、どうすれば、腰の重い、古風な大企業が変われるのか?QUANTUMの取組み、実例を通じて、その答えを見つけて頂ければ光栄です。

高松 充様 講師:高松 充(株式会社QUANTUM 代表取締役社長(兼)CEO)
【略歴】1989年、博報堂入社。営業職、在米日本大使館駐在を経て、2006年、(株)TBWA HAKUHODOの設立に従事。2011年、「Human-Centered Open Innovation(HCOI)事業」を立上げ、「ミライニホン」等、世の中を明るく、日々の暮らしを豊かにする製品やサービスの開発に邁進。2014年、HCOIを実践する場「QUANTUM」を芝浦に開設。2016年4月、株式会社QUANTUMとして独立し、大企業、スタートアップ・ベンチャー企業との共創により、更に多くの事業を生み出すStartup Studioとして奮闘中。

セッション4[14:35~15:35]

Competing on the Edge- 週末に世界を変える方法 -

週末で世界を変えるにはどうしたらいいでしょうか?一般的に対立軸として見られがちな大企業とスタートアップでどう共通のゴールに向かってイノベーションを興こせばいいでしょうか?この講演では、実際の事例も交え、ハッカソンをきっかけにどう大企業とスタートアップが共創するかを考えます。また1995年からテクノロジーのエッジを追い続けた地方のスタートアップが考える世の中のあるべき姿を一緒に考え、きれいごとだけではないスタートアップのリアルも含めてお話しします。さらにシリコンバレーやヨーロッパ、深センなどアジアを含めた海外から見た日本のテクノロジーの客観的な現状、日本での起業家の光と陰、そして新たな時代を担う若者へのアントレプレナーシップについて考えます。インターネットに関するフリーカルチャーやオープンソースへの理解、シビックテック、そしてコミュニティへの貢献、本当に世界を変えるには何が必要なのか。

山寺 純様 講師:山寺 純(株式会社Eyes, JAPAN 代表取締役 Unicorn/Chief Chaos Officer)
【略歴】1968年、福島県会津若松市生まれ。93年、日本で初めてのコンピュータサイエンスの単科大学である会津大学の事務局で通訳翻訳員として働き、インターネットに出会う。95年に大学生と会津大学発のベンチャー企業として「あいづ・ジャパン」を創業。以来、先進的なプロジェクトを多数手掛ける。2013年には、アメリカ・カリフォルニアで行われた「Health 2.0」ハッカソンに日本代表として参加し優勝。

セッション5[15:45~16:45]

デジタルビジネスと社会課題に挑む~共創で可能性を無限に~

IoTやAIに代表されるデジタル技術は、企業や社会にとって避けては通れない環境変化となっています。企業システムは、従来の情報システム(SoR)とイノベーション創出のシステム(SoE)に大別され、いずれもデジタル技術への備えが必要です。デジタル技術は既存の産業を破壊する脅威でもありますがイノベーションを起こすチャンスと捉えることもできます。また、デジタル技術の活用は、情報システム部門だけではなく、事業部門や生活者にまで拡大しており、従来の見識だけでは対処が難しくなっています。自前主義を脱却し、事業部門や生活者と新しいサービスを考えることができる人材を育成する必要があります。このセッションでは、デジタル技術をリサーチする「Digital Innovation Lab」やソーシャルイノベーションについて考える「あしたのコミュニティーラボ」、SEのデジタル道場「FUJITSU Knowledge Integration Base PLY」といった富士通で実践している様々な"場"作りに加え、ハッカソンなどの共創のためのイノベーション手法について紹介したいと思います。

柴崎 辰彦様 講師:柴崎 辰彦(富士通株式会社 グローバルサービスインテグレーション部門デジタルフロント事業本部 本部長代理)
【略歴】富士通株式会社入社後 ネットワーク、マーケティング、SE、コンサル等、さまざまな部門での“社線変更”を経験。数々の新規ビジネスの立上げに従事後、コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」、「Digital Innovation Lab」を立ち上げ、オープン・サービス・イノベーションに挑戦中。サービス学会発起人。日本ナレッジマネジメント学会、情報処理学会、大学等での講演多数。著書「勝負は、お客様が買う前に決める!」(ダイヤモンド社)