情報処理学会 短期集中セミナー

プライバシーフレンドリーな社会に向けて

短セミ2017チラシ    短セミ2017チラシ
短期集中セミナー2017「プライバシーフレンドリーな社会に向けて」のチラシです。
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  • 2017年11月22日 当日参加も受け付けております。参加費が現地にて徴収いたします。
  • 2017年11月22日 参加申込を11月29日(木)17時まで延長いたします。
  • 2017年10月13日 Webサイト公開

日時: 2017年 11月30日(木) 13:30~17:30
(受付開始:13:00〜)

会場: 化学会館 7階 ホール


主催:一般社団法人情報処理学会


協賛:一般社団法人電気学会、一般社団法人照明学会、一般社団法人電子情報通信学会、一般社団法人映像情報メディア学会


後援:特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会


 ITを活用したサービスを提供しようと思っても、「プライバシーが」という一言で断念してしまった経験はありませんか?本セミナーでは、プライバシーの概念に正面から向き合い、具体的に何が問題とされているのか、どのような手段を採用すればユーザにプライバシーフレンドリーなサービスが提供できるのかについて議論を深めます。

プライバシーフレンドリーな社会に向けて

プログラム

コーディネータ

佐古和恵(NEC)
佐古 和恵

【略歴】電子投票、電子入札、電子抽選、匿名認証など、セキュリティとプライバシを両立させ、公平性を保証する暗号プロトコルの開発研究に従事。Asiacrypt 2012,2013, RSA conference 暗号トラック2016, Financial Cryptography and Data Security 2018 などのプログラム委員長・共同委員長を務める。ISO/IEC JTC 1/SC 27/WG 5 アイデンティティ管理とプライバシー技術国内小委員会委員。ISO/TC307 ブロックチェーンと分散台帳 国際エキスパート。日本学術会議連携会員。第26代日本応用数理学会会長。H29年度電子情報通信学会副会長。

[13:30-13:35]
オープニング

佐古和恵(NEC)

[13:40-14:20]
AI、データエコシステム、プライバシーの交差点

ディープラーニング(深層学習)が自動的な特徴量の抽出と最適化を目指すことで、人工知能技術が必要とするデータは、多量かつ継続的な取得と具体性の向上が求められるようになった。こうしたデータを獲得するには、個人識別性が高く、また事業者による囲い込みを前提とした巨大なデータエコシステムが期待されるが、同時にそれはプライバシー影響の拡大を惹起させることから、何らかの対応を求める声が、消費者・市民はもちろん、事業者からも(競争政策の観点を含め)挙がっている。このような問題意識から、欧州では一般データ保護規則の一環として「データポータビリティの権利」や「自動処理による決定の対象とならない権利」が掲げられ、それに基づく技術実装の試みが進み始めている。また日本でもPDSや情報銀行といった概念や機能の普及・高度化が期待されている。本講演ではそうした取組の紹介も踏まえつつ、現状と当面の動向について論じる。


クロサカタツヤ(慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科 特任准教授/株式会社 企 代表取締役)
クロサカタツヤ

【略歴】慶應義塾大学大学院修了。三菱総合研究所にて情報通信事業のコンサルティングに従事。2008年に(株)企を設立、経営戦略・事業設計等のコンサルティングを実施。2016年より慶應義塾大学特任准教授、総務省情報通信政策研究所コンサルティングフェロー。人工知能やIoT等の研究開発や政策立案を推進。経済開発協力機構(OECD)日本政府代表団員を始め政府委員等歴任。近著「AIがつなげる社会(共著)」等。

[14:20-15:00]
プライバシーの尊重と個人データ保護の微妙な関係

個人データの保護がプライバシーの尊重に重要であるのは言うまでもないが、プライバシーの尊重の観点から考えると不十分である。それは、保護対象の個人データでなくても、その取扱によってプライバシー・インパクトがあるケースが十分に考えられるからだ。プライバシーを真に尊重しようとするならば、対象情報が個人データであるか否のみによって取扱を判断するのではなく、個人にとってその取扱がどのような影響をもたらしうるのかを考える必要がある。本講演では今年出版されたJIS X 9250 プライバシー・フレームワーク(ISO/IEC 29100)やISO/IEC 29134 Guidelines for privacy impact assessmentを例に、どのような情報を対象にしてリスク管理を行っていくべきかなどを論じる。


崎村夏彦(株式会社野村総合研究所 IT基盤イノベーション本部ビジネスIT推進部 上席研究員)
崎村夏彦

【略歴】1989年、野村総合研究所入社。現在、同社上席研究員。デジタル・アイデンティティ、Web APIアクセス管理、プライバシー技術分野の国際標準化に20年来取り組んでおり、JWT,OpenID Connectなど取りまとめた規格は、全世界で20億人以上に日々使われている。SC 27/WG 5 小委員会(アイデンティティ管理とプライバシー技術)主査。米国OpenID Foundation理事長。

[15:00-15:15]休憩

[15:15-15:40]
若い世代とプライバシー

IT基本法成立当時に生まれた子どもたちは、今や高校生から大学生、スマートフォンやソーシャルメディアの主な利用者である。幼い頃からインターネットが当たり前に存在する環境で育った世代は、オフライン・オンラインでの自分のアイデンティティを様々な形で表している。たとえば、家族からは見えない場所で友達とLINEでやりとりをする一方で、TwitterやInstagramでは活発な情報発信が見られたりもする。彼ら・彼女らにとって、インターネットは匿名の空間であると同時に、リアルの延長でもあり、また親や教師に見せないアイデンティティを見せる場所でもあるようだ。一方で、オンラインでのコミュニケーションをきっかけとして、犯罪や人間関係のトラブルに巻き込まれるリスクは無視できない。
本講演では、若い世代の情報行動について、特にプライバシーに関して関連研究や中高生・大学生への調査事例を紹介しながら考察する。


折田 明子(関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科 准教授)
折田 明子

【略歴】慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程、後期博士課程を経て博士(政策・メディア)を取得。中央大学ビジネススクール助教、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師、米国ケネソー州立大学客員講師等を経て現職。個人の名乗りとアイデンティティ、また若年層の情報リテラシー教育の研究に従事。情報処理学会EIP研究会運営委員。その他経営情報学会、情報社会学会、AIS等の正会員。

[15:40-16:20]
広告・マーケティング業界でのプライバシーとの付き合い方

「パーソナルデータは新しい石油であり、デジタル世界における新たな通貨である」。そういった考えからパーソナルデータを金脈のように考えてしまった結果、プライバシーを侵害してしまう事例が後を絶たない。デジタルマーケティング領域では、特定の個人を識別しないとしつつも、デバイスや企業などに分断されていた個人に紐づくデータの連携や統合が進み、位置情報・テレビ視聴履歴といったプライバシー情報の活用が重要になっている。企業にとってプライバシーは“保護”するものではなく“尊重”するものであり、生活者に寄り添いプライバシー情報をうまく活用することが信頼関係構築に繋がる。データ主体である個人の権限を強化しメリットを最大化するための仕組みであるCustomerTechやCSP(Consumer Side Platform)といったパーソナルデータの流通・利活用を活発化させる世界での先進的な事例も紹介する。


伊藤直之(株式会社インテージ 開発本部 ITイノベーション部 CSP (Consumer Side Platform) エバンジェリスト)
伊藤直之

【略歴】2008年、株式会社インテージ入社。クライアントのデータ利活用基盤構築やマーケティングリサーチに従事した後、現在はデジタルマーケティング領域の新規事業開発と共に、個人主導データ流通の啓蒙活動に取り組む。2013年よりオープンデータを推進するOpen Knowledge Japan運営メンバー。ビジネス領域でのオープンデータやパーソナルデータなど多様なデータの公開・流通による利活用を推進することによって、より良い社会の実現を目指す。

[16:20-16:45]
プライバシー保護再考:パラドクスを超えて

現在、多くの人々が、プライバシーの保護は大切だと考えている一方で、プライバシーとは何か、また、なぜプライバシーを保護することが重要なのかについて理解しておらず、さらに自分自身と他者のプライバシーを守るための積極的な努力をしていない、という「プライバシーパラドクス」という現象が、わが国において、また諸外国でも発生している。高度に発達した情報通信技術が社会・経済のすみずみにまで浸透する現代社会において、プライバシーパラドクスの存在は、社会におけるプライバシーの価値を実質的に低下させ、人々の自由と自律を脅かす要因となっている。
本講演では、プライバシー概念ならびにプライバシー保護とはどのようなものなのかについて改めて論じ、プライバシーパラドクスの解消に向けて、われわれが認識し、考えなければならない課題を提示する。


村田 潔(明治大学 商学部 教授)
村田潔

【略歴】1987年3月に筑波大学大学院社会科学研究科経済学専攻博士課程を退学後、北海道女子短期大学専任講師、駿河台大学助教授を経て、1995年4月に明治大学助教授、1997年4月より同教授。2006年4月に明治大学ビジネス情報倫理研究所を設立し、所長として情報倫理研究に携わるとともに、英国デュモンフォート大学CCSR(Centre for Computing and Social Responsibility)リサーチアソシエイト、電脳倫理学会(香港)顧問、日本情報経営学会会長を務めている。2018年1月に共編著Japanese Ethics and TechnologyがSpringerより刊行予定。

[16:50-17:30]
パネルディスカッション


司会:佐古和恵(NEC)
佐古 和恵

(略歴は講演者の欄を参照)




パネリスト:クロサカタツヤ(慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科 特任准教授/株式会社 企 代表取締役)
クロサカタツヤ

(略歴は講演者の欄を参照)




パネリスト:崎村夏彦(株式会社野村総合研究所 IT基盤イノベーション本部ビジネスIT推進部 上席研究員)
崎村夏彦

(略歴は講演者の欄を参照)




パネリスト:折田 明子(関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科 准教授)
折田 明子

(略歴は講演者の欄を参照)




パネリスト:伊藤直之(株式会社インテージ 開発本部 ITイノベーション部 CSP (Consumer Side Platform) エバンジェリスト)
伊藤直之

(略歴は講演者の欄を参照)




パネリスト:村田 潔(明治大学 商学部 教授)
村田潔

(略歴は講演者の欄を参照)

[17:30]クロージング

参加申込

<参加費>
正会員 10,000円(税込)
非会員 12,000円(税込)
学生 5,000円(税込)

【注意事項】


申込締切:2017年11月23日(木)
→延長しました 2017年11月29日(水)17時まで
→参加申込締切いたしました。
お申し込み

会場

情報処理学会 短期集中セミナー会場:
化学会館7Fホール[〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5 化学会館7F]

https://www.chemistry.or.jp/access/

FAQ

参加証引換券はいつ送られてくるのですか?
事務局より電子メールで開催1週間前にお送りいたします。ご来場の際は、必ずプリントアウトしてご持参頂き、受付にお渡しください。

参加証引換券メールが見当たりません(またはなくしてしまった)。
受付番号、参加申込者様のお名前、メールアドレスを事業部門宛event@ipsj.or.jpまでメールにてご連絡ください。なお、会場受付にて、受付番号、お名前を申し出て頂ければ大丈夫ですが、混在具合によっては当日受付に時間がかかる場合があります。「短期集中セミナー」参加証引換券メールは紛失しないよう大切に保管してください。

会社の手続き上開催日までに振込みができないのですが?
請求書と共に「送金連絡票」をE-mailにてお送りいたします。「送金連絡票」にて送金予定日をお知らせください。

クレジットカードで支払えますか?
はい。以下のページをご参照ください。
-オンラインクレジットカード決済システム導入についてのご案内
https://www.ipsj.or.jp/creditcardpayment.html

領収書を発行してほしいのですが?
請求書と共に「送金連絡票」をE-mailでお送りいたします。「送金連絡票」に必要事項をご記入のうえevent@ipsj.or.jpまでご返信ください。

申込みをキャンセルしたいのですが?
イベント前日までに必ずE-mailでevent@ipsj.or.jpへご連絡ください。無断欠席、イベント開催後のキャンセルは準備の都合上参加費をいただきます。なお、代理での参加は可能です。参加証引換券を代理の方にお渡しください。